JR羽田空港アクセス線 その貨物線活用法とは
元々は貨物線として計画されたりんかい線
JR東日本によると東京貨物ターミナル駅から羽田空港国内線ターミナルまで、地下線を建設するとしています。
そして東京貨物ターミナル駅から東京駅方面へは、浜松町駅へ至る休止中の貨物線を活用。東海道本線に接続させることで羽田空港との直通運転を実現させます。ただ浜松町駅で東海道本線と接続させるのは構造上難しいため、この休止中の貨物線を復活させるのと合わせて新たにトンネルを建設。田町駅付近で東海道本線と接続させるとしています。
新木場駅方面へは、既に東京貨物ターミナル駅の隣に同駅へ至るりんかい線の車両基地があるため、直通運転は難しくありません。新木場駅方面との列車は、他方面より先行して運転を始めることが検討されています。
渋谷・新宿駅方面へもりんかい線経由のため、新木場駅方面と同じルートを使えば容易ですが、この方法だと途中、東京テレポート駅付近で進行方向を逆にする必要があります。それでは時間と手間がかかるので、東京貨物ターミナル駅付近からトンネルを建設。りんかい線の大井町~品川シーサイド間に接続することによって、進行方向の変更無しで渋谷・新宿駅方面へ直通させる計画です。
ちなみに、りんかい線の線路が既に東京貨物ターミナル駅付近まで延びていることについては、歴史的な理由があります。
りんかい線は現在、大崎駅で埼京線と直通運転を行っていますが、元々は千葉方面と東京貨物ターミナル駅、神奈川県川崎市方面を結ぶ貨物線(東京外環状線)として計画され、建設が始められました。りんかい線の開業が1996(平成8)年に新木場~東京テレポート間から始まったこと、東京貨物ターミナル駅の隣まで線路が延びているのはそのためです。
京葉線も同様に、元々は現在のりんかい線とセットで千葉方面と東京貨物ターミナル駅、川崎市方面を結ぶ貨物線として計画された路線です。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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