成長する「観光」、日本経済復活の柱となるか 訪日外国人を見据える羽田新線と品川新駅
品川新駅を日本の「ゲートウェイ」に
訪日外国人旅行者の取り込みは、JRも大きく注目しています。2014年にJR東日本が発表した羽田空港アクセス線構想は、そのひとつの象徴です。
休止中の貨物線などを活用し、東京駅や新宿駅、新木場駅と羽田空港を20分程度で直結する羽田空港アクセス線。JR東日本の富田社長は2015年の年頭所感において、「インバウンドをはじめとした将来の航空旅客の増加に対応するため、既存の鉄道ネットワークや羽田空港アクセス線構想を検討していく」という、訪日外国人旅行者(インバウンド)の存在を強く意識したコメントをしています。
JR東日本の富田社長は、合わせて田町~品川間で2020年に暫定開業する予定の新駅についても「このエリアを日本の新しい『ゲートウェイ』と呼んでいただけるような、国際的に魅力のある交流拠点にする」という考えを表明。「品川新駅」においても、「外国人観光客」がひとつの鍵なのです。
またJR九州も豪華クルーズトレイン「ななつ星in九州」について、現在は5%の外国人乗客比率を数年内に30%程度に高めることを目標にしているほか、2015年1月から外国人向けに「JR-KYUSHU RAIL PASS」を発売。訪日外国人旅行者を取り込む動きが加速しています。
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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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