お座敷車両の貸切が1人1000円以下 格安キャンペーンの背景にあるローカル鉄道の願い 秋田内陸縦貫鉄道
秋田内陸縦貫鉄道が39000円で、車両を1両貸切にできるキャンペーンを開始。最大約190kmをおよそ6時間、40から50人程度でお座敷車両や展望車両に乗車し39000円ですから、相当に安くなっています。なぜこんなに安いキャンペーンを行っているのでしょうか。そこには「まず乗ってもらいたい」という地方鉄道の切実な願いがありました。
期間限定キャンペーンで1両貸切が39000円に
鉄道車両を1両貸し切って約190km、合計5~6時間走らせた場合、はたしてどのくらいの料金が必要になるでしょうか。鉄道会社によって異なりますが、現在、秋田内陸縦貫鉄道では39000円(税込)でそれが可能です。
「あきた美人ライン」の愛称を持つ秋田内陸縦貫鉄道は、JR奥羽本線と接続する秋田県北秋田市の鷹巣駅と、秋田新幹線・田沢湖線と接続する秋田県仙北市の角館駅を結ぶ全長94.2kmの路線です。通常、鷹巣駅から角館駅まで全線を片道乗車すると1670円、往復では3340円になります。しかし1両貸切にして往復しても39000円ですから、12人集まれば普通にきっぷを買うより安くなる計算です。
また貸切可能な車両にはお座敷車両(定員40人)、お座敷化も可能なフリースペースを持つイベント車両(定員53人)、展望車両(43人)といった「乗って楽しい車両」が数種類用意されているのもポイント。仮に40人でお座敷車両を貸し切って鷹巣~角館間を往復すると考えた場合、普通運賃では3340円×40人で133600円です。それが39000円になるので、なんとひとりあたり975円で5~6時間も「お座敷列車の旅」を楽しめることになります。
秋田内陸縦貫鉄道では通常、お座敷車両を貸切にする場合は往復65000円が必要です。これでも鷹巣~角館間を40人で往復した普通運賃133600円の半額以下ですが、それが現在、2015年1月13日から3月31日までの期間限定キャンペーンで39000円とさらに値下げされている形です。
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