お座敷車両の貸切が1人1000円以下 格安キャンペーンの背景にあるローカル鉄道の願い 秋田内陸縦貫鉄道

秋田内陸縦貫鉄道が39000円で、車両を1両貸切にできるキャンペーンを開始。最大約190kmをおよそ6時間、40から50人程度でお座敷車両や展望車両に乗車し39000円ですから、相当に安くなっています。なぜこんなに安いキャンペーンを行っているのでしょうか。そこには「まず乗ってもらいたい」という地方鉄道の切実な願いがありました。

39000円は「ギリギリ」

 秋田内陸縦貫鉄道がこの格安キャンペーンを1月13日から3月31日まで実施するのは、新年会や歓送迎会の需要を狙っているほか、この時期は車窓からの雪景色が美しいため、「ぜひいま秋田内陸縦貫鉄道の旅を楽しんでいただきたい」という想いがあるそうです。39000円という料金は「ギリギリの設定」といいます。

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白く染まった渓谷を渡る秋田内陸縦貫鉄道の列車(画像提供:秋田内陸縦貫鉄道)。

 この39000円で貸切車両を利用できるキャンペーンは1月13日から3月31日まで、2月10日を除く8時以降発、17時まで着の時間帯で実施。往復利用も片道利用も同額で、車両ごとに決まっている定員以上での利用はできません。

 ちなみに、秋田内陸縦貫鉄道の愛称「あきた美人ライン」は公募によって選ばれたもので、いわゆる「秋田美人」がその由来です。

 紀行作家の故宮脇俊三氏はベストセラーになった著書『時刻表2万キロ』で、この秋田内陸縦貫鉄道に乗車したときのことについて、次のように述べています(宮脇氏が乗車したのは、1986年に第三セクター化され秋田内陸縦貫鉄道になる前の国鉄阿仁合線)。

「私の備忘メモには『美人三〇%』と、珍しく鉄道以外のことが記してある(中略)東京あたりでの含有量は五パーセントに満たぬとの厳しい基準でのそれだから相当なものである」

 また宮脇氏は合わせて「しかし彼女らの会話は(方言で)まったく理解できない」とも記しています。秋田内陸縦貫鉄道の旅は、言葉を聞くことも面白いかもしれません。

【了】

Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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