特急「こうや」のズームカー、高野山1200年で3色に

ズームレンズに例えられた南海の電車

 特別仕様の「こうや」は座席のヘッドカバーも特別仕様になるほか、客室通路も「赤」「黒」「紫」の外装と合わせたデザインに変更されます。

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座席のカバーや通路のデザインも特別仕様になる特急「こうや」(画像提供:南海電鉄)。

 また3月1日(日)には難波駅で「高野山開創1200年慶讃イベント」が開催され、この日にデビューする「赤こうや」の出発式、金剛峰寺の僧侶による「声明コンサート」などが行われる予定です。「慶讃」とは、新たに仏像や経巻、堂塔などが完成したときに喜び称える仏事などを意味する言葉で、「声明」は儀礼に用いられる、仏典に節をつけた仏教音楽です。

 ちなみに、特急「こうや」に使用される電車は「ズームカー」とも呼ばれます。南海高野線の高野山側、橋本~極楽橋間は急カーブと急坂が続く「登山鉄道」です。平坦な難波側で高速走行を行いつつ、そのように環境が厳しい登山鉄道区間へも直通できるよう製造された車両を「ズームカー」といい、特急「こうや」に使用されている電車はそのひとつです。由来については、広範囲で活躍できるという意味からカメラのズームレンズに例えられた、といった説があります。

 また南海の空港特急「ラピート」などは1両の長さが20mありますが、特急「こうや」などのズームカーは登山鉄道区間の急カーブを通過できるよう、1両17mと短くなっているのも特徴です。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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1件のコメント

  1. 赤い内装なんか中国の観光客に受けそうだね。

    空海は大陸に渡った人だから
    良い意味で中国と日本の関わり
    という内容の面でもアピールできそうな気がします