昨年2月の豪雪を教訓に 首都圏で強化される鉄道の雪対策

2014年2月に襲った豪雪を教訓に、品川区にある東海道新幹線の車両基地では融雪器が関ヶ原・米原地区と同レベルのものに強化されるなど、首都圏の鉄道で雪対策の整備が進められています。

関ヶ原と同レベルになった品川区

 2015年1月30日(金)、首都圏は朝から雪に見舞われました。午前11時現在、鉄道は各線で雪、または混雑による遅延などが発生していますが、主要路線が運転見合わせになるといった大幅な影響は出ていません。

 首都圏の交通に大きな影響を及ぼした降雪といえば昨年、2014年2月に発生した「平成26年豪雪」が記憶に新しいところです。2月8日前後、14日前後の2回にわたり大雪となり、多くの路線が不通になるなどしています。成田国際空港ではそこへ至る鉄道、道路が通れなくなり、孤立する事態にもなりました。

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車両の床下に付着した雪を高圧洗浄機で落とす様子(画像:JR東海)。

 そうした経験を踏まえ現在、鉄道会社は首都圏においても雪への備えを強化しており、東海道新幹線を運行するJR東海は今冬、次のような対策を行います。

・品川区にある大井車両基地構内などにおいて電気融雪器の容量を強化。
・神奈川地区に降雪情報装置を新設。
・小田原駅に高圧洗浄機を設置。

 「電気融雪器」はレールを温めて雪を溶かすものです。大井車両基地周辺に設置されている電気融雪器について、東海道新幹線でもっとも降雪の多い関ヶ原・米原地区と同程度に能力が強化されます。

 「降雪情報装置」は降雪状況を正確、かつ迅速に判定するためのものです。東海道新幹線では雪が「濡れ雪」の状態ならおおむね平常運転が可能ですが、そうでない場合は速度を落とす必要が出てきます。列車の安全運行において、雪の状態を素早く確実に把握することは重要なことなのです。

 「高圧洗浄機」は車体に付着した雪を落とすものです。雪が車両にこびりついた状態で高速走行を行うと、車両から落下した雪が線路の石をはじき飛ばし周囲に被害を与える可能性があるため、「雪落とし」が必要です。それを目的にした高圧洗浄機が東海道新幹線では名古屋駅と新大阪駅に設置されていましたが、新たに神奈川県の小田原駅にも用意されることになりました。

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