列車の中吊り広告、いったいいくら? その「ルール」とは

鉄道利用者にはなじみ深い中吊り広告。山手線の新型車両では姿を消すことが話題になりましたが、はたしてこの中吊り広告、掲出にはどれくらいの料金が必要なのでしょうか。実は、サラリーマンのお小遣いでも可能な場合もあります。また中吊り広告には「隣同士にしない」など、いろいろな「ルール」があるようです。

5500円で出せる中吊り広告がある

 先日、2015年秋から導入される山手線の新型車両「E235系」から中吊り広告が姿を消す、というニュースが流れました。JR東日本では「トレインチャンネル」と呼ばれ、すでに私たちになじみ深い液晶画面を使った広告が今後、中吊り広告の役割を担うことになりますが、電車に乗ってまず目を向けるのは入り口近くの中吊り広告、という人はまだまだ多いと思います。その一方で、中吊り広告がいくらなのかを知る人は多くありません。いったいどれくらいの料金で広告を出すことができるのでしょうか。

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B3サイズの「シングル」とそれ2枚分の「ワイド」がある中吊り広告(2013年12月、恵 知仁撮影)

 料金は基本的に、その路線における乗降者の数で決まっており、例えば日本で一番乗降者数の多い山手線の中吊り広告は、平日2日間で210万円です。ちなみに、掲載に必要な枚数はおよそ2800枚で、広告を出す側が規定のサイズの用紙に印刷して持ち込む必要があります。

 このほか、中央線快速で中吊り広告を実施した場合は2日間で120万円(2400枚)、埼京線で66万円(2300枚)といったように、乗降客の数が金額に反映されるのです。

 都心部を走る路線ほど広告料金が高くなる一方で、地方には激安路線も存在します。栃木県を走るJR東日本の烏山線は、2日間の中吊り広告掲載料金がなんと5500円。サラリーマンのお小遣いでも掲載できる価格になっています。ただし20枚しか掲載できないので、広告効果は推して知るべし、という感じでしょうか。

 ちなみに中吊り広告の差し替えは、主に車庫で行われるほか、運行中の終着駅や始発駅でも実施されます。一番多いのは掲載前日の夕方から差し替えを始めるパターンで、掲載予定日の前夜から車内にお目見えします。

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1件のコメント

  1. 残すべき鉄道文化の一つ