カリフォルニアのため? 日本の自動車メーカーがエコカーを作る理由

「ZEV法ありき」で造られる日本車、その目的は

 ZEV法はその後も数度の規定変更を経て、直近の2009~2017年までの規定では、年間販売台数が6万台以上のメーカーがZEV法への対応が必要です。具体的には、アメリカのGM、フォード、クライスラー(FCA:フィアット・クライスラー・オートモービルズ)、日本のトヨタ、日産、ホンダの6社です。

 そして2017年5月からは、同2万台以上のメーカーもZEV法への対応が必要となります。そのなかには、BMW、メルセデスベンツ、フォルクスワーゲン、ヒュンダイ、キア、ランドローバーのほか、日系メーカーではマツダとスバルが含まれています。

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2012年10月にリース販売が始められたマツダの「デミオEV」(写真提供:マツダ)。

 このZEV法の一部改正に対応するため、マツダは「デミオEV」を開発。同社上層部の関係者は「ZEV法を最優先し、さらに日本にも導入したという解釈です」と胸の内を語りました。富士重工の上層部関係者は「アメリカで販売が拡大していることは嬉しいですが、まさかウチがZEV法の対象になるとは、思ってもみなかった」と言います。スバルとしては今後、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車でZEV法に対応する構えです。

 また、2010(平成22)年のロサンゼルスモーターショーで「フィットEV」の発表時、ホンダの伊東孝紳社長は記者団に対し「このクルマは、あくまでもZEV法ありき」と言い切りました。実はホンダ、燃料電池車の「FCXクラリティ」が想定したリース販売数に届かず、電気自動車で知られるベンチャーのテスラからZEVクレジットを購入したという苦い経験があるのです。

 そしてトヨタの場合、自社による電気自動車の販売を当面行わない方針を示しており、ZEV法に対しては燃料電池車で対応する計画です。

 アメリカでは今後、ZEV法を採用する州が増加する可能性が高いとみられています。そのため自動車メーカーとしては、世界第2位の自動車販売国で業績を維持するために、ZEV法への対応は必須なのです。

【了】

Writer: 桃田健史

世界各地で輸送機器、IT、環境などの取材を続けるジャーナリスト。近著に『アップル、グーグルが自動車産業を乗っとる日』(洋泉社)、『未来型乗り物「超小型モビリティ」で街が変わる』(交通新聞社)。

 
    
 
    

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  1. スモッグが対流 --> スモッグが滞留