低迷するタクシー業界、アプリが救う “運”だったタクシー選び
バブル時代は大いに湧いたものの、現在は利用者が半減しているタクシー業界。そうしたなか広告動画を視聴すると割引になるなど、「タクシー配車アプリ」を活用した利用者獲得が進められています。またこうした「アプリ」によって、タクシー業界が常に抱えてきた“ある問題”が解決されるかもしれません。
タクシー乗車中、動画広告を見れば割引
かつてはバブル景気を背景に、中高年のビジネスマンを中心に活況を呈したタクシー業界。しかし2002(平成14)年の規制緩和以降、台数の急増と過度な低価格化が進み、業界全体が混迷を極めました。そのため再び台数や料金の規制強化が進められてきましたが、利用者の減少は下げ止まることなく、ピーク時の1989(平成元)年に約330万人いた利用者は、2011(平成23)年にはその約半分の約163万人まで減少しています。
こうした低迷のなかで、新たな利用者を開拓しているのが、スマートフォンなどでタクシーを手配する「タクシー配車アプリ」です。しかもその機能は日々進化し、利便性はますます高まっているといいます。
タクシー会社大手の日本交通は今年2015年4月、「タクシー配車アプリ」の新たな情報サービスについて、実証実験を行うと発表しました。それは、乗車時にアプリへ配信される広告動画を見ることで、次回以降のタクシー運賃が割引になるクーポンが発行されるというもの。博報堂DYメディアパートナーズ、博報堂、ACCESSとの共同プロジェクトとしてスタートしました。
実証実験はこの4月から5月まで、東京23区および三鷹市、武蔵野市の日本交通が所有する黒タク(黒色のタクシー)約1600台で行われ、現在は終了。検証作業が行われており、実験によって明らかになった課題を精査・調整したうえで、今年夏以降の本格的な商品化を目指すそうです。
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