逆ドクターイエロー 線路から車両を検査 東海道新幹線

走りながら線路を検査する「ドクターイエロー」は有名ですが、東海道新幹線で、逆に線路から走っている列車を検査するシステムが導入されます。またこれを含め、走行中の車両が自分のデータをセンターに自動転送するなど、新しいメンテナンス体勢の運用が東海道新幹線で始められます。

東海道新幹線が備えるデータ転送機能

 またJR東海は7月から、この赤外線による走行列車の温度検知を含め、新しい車両メンテナンス体勢をスタートさせることを明らかにしています。その要になるのが、24時間体勢で運用される「車両データ分析センター」の新設です。

 東海道新幹線の車両は走行中、運転状況や機器の動作状態、乗り心地などのデータを車両に記録しており、その内容が車両の定期検査時に確認されています。しかしそのため、一定期間ごとでしか車両機器の状態を把握できませんでした。

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列車走行中に得られたデータがセンターに自動転送され、継続的に分析される(画像提供:JR東海)。

 しかし新しいメンテナンス体勢では、走行中に車両が記録した情報、また先述の「新幹線台車温度検知装置」によって得られた情報を、新設の「車両データ分析センター」へ自動転送。走っている車両を継続的に監視する仕組みが整備され、これによってJR東海は「検査精度を一層向上させ、車両品質の向上、安全・安定輸送の向上を図ることができる」といいます。また合わせて行っていた検査の一部を車両データの分析に置き換えることができ、省力化にも繋がるそうです。

【了】

Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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