危険な駅での自撮り棒 架線に触れずとも感電の恐れ

近頃、「自撮り棒」の人気が高まっていますが、駅でそれを使うのは、大きな危険があります。周囲の人にあたったり、列車の運行を妨げる可能性があるほか、感電する可能性もあるからです。もし自撮り棒を使って感電してしまったら、人はどうなってしまうのでしょうか。実はなんと、架線に触れなくとも感電することがあるそうです。

衝撃波と共に吹き飛ぶ自撮り棒

 まず架線にはどんな電気が流れているのか、鉄道総合技術研究所(鉄道総研)総務部広報課の村本さんにお話を伺ったところ、JR在来線の架線に流れている電気は直流と交流の2種類があり、直流なら1500ボルト、交流なら2万ボルトの電気とのこと。また、新幹線の架線は交流で、こちらはなんと2万5000ボルトだそうです。

 では実際に架線へ触れ、感電してしまったらどうなるのでしょうか。日本熱傷学会理事の原田さんによれば、在来線の直流1500ボルトの場合、スパーク光が発生し、衝撃波と共に自撮り棒は吹き飛び、持っていた本人も1~2メートルのけぞるだろう、といいます。

 そして在来線の交流2万ボルト、新幹線の交流2万5000ボルトとなると、衝撃と共に人は吹き飛ばされ、意識もなくなり、運良く助かるケースがなくはないものの、即死してしまう可能性が高いそうです。状況としては電流が体内に入り込み、心臓を通って不整脈を起こし心停止に至ったり、臓器や筋肉が損傷して、やはり命取りとなる、とのこと。仮に命を取り留めても、人工透析をしながら延命をすることになり、歩行障害や脳の障害が残るそうです。

「それってあくまで交流の架線のことでしょ? 直流1500ボルトならそこまでひどくないんでしょ?」と思うかもしれませんが、原田さんによれば「100ボルトでも不整脈を起こして死ぬことはある」とのこと。在来線の架線なら多少は安心だなんて、とてもじゃありませんが、思うことはできません。

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