名神全通50周年 国内初の都市間高速、日本人技術者の奮闘

2015年7月1日、名神高速道路が全通50周年を迎えました。“日本初の都市間高速道路”である名神高速、その建設にあたってはドイツの技術も用いられていますが、合わせて日本人技術者の試行錯誤が存在。名神高速はどのようにして生まれたのか、建設に関わった稲田倍穂東海大学名誉教授に聞きました。

「外国の例なんて参考になりませんよ」

「京都の東の、山科のところはね、もともと鉄道の廃線跡があって、それが名神の用地として先に手に入ったので、予定路線上に日本最初の高速道路試験場を造って、私たち土工屋が実際に土を盛って試験をしていたんです。なにしろ鉄道の跡でしょう。それで直線になったんですよ。ドルシュさんが来るより前に用地が確保できたところは、直線が多くなったんです」(稲田名誉教授)

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赤線が名神高速。京都盆地から東へは、旧東海道本線の跡地を活用して建設された(地図製作:稲田倍穂東海大学名誉教授)。

 アウトバーンも戦前は直線を多く使っていて、最初の開通区間は約20キロ(!)の直線ですが、その後「長い直線は眠くなる」ということで避けられるようになり、新旧の設計が混在しています。よって、クロソイド曲線と長い直線が混じった名神の設計は、アウトバーン的に感じられるわけです。一方、最初からドルシュ氏の指導で線形設計された東名には、名神ほど長い直線はありません。

 では、稲田先生の専門である土工についてはどうでしょう。やはりアウトバーンに倣ったのでしょうか。

「それは全然ないですね。日本ではね、高速道路を造るといっても、横断構造物が30メートルから50メートルおきにあるんです。道路だとか水路だとかが、どこにでもあるでしょう? それを埋めて高速道路を造るわけにいかないから(笑)、カルバート(トンネル)を造って下に道路や水路などを通さなくちゃならない。だから、6メートルも土を盛ることになった。大陸の広い平原や砂漠みたいなところなら、せいぜい1~2メートル土を盛ってその上にバーンと道路を造ればいいけれど、日本ではそんなわけにいかない。6メートルも土を盛った上に、重量のかかる道路を造るんだから、外国の例なんて参考になりませんよ」(稲田名誉教授)

 線形設計についてはアウトバーンに学んだけれど、構造設計は、日本の風土に合わせて、日本人自ら、まったく独自に開発したのだそうです。

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