新幹線焼身自殺、「事件」なのか「事故」なのか 安全記録への影響は

なぜ今回「列車火災事故」と判断されたのか

 しかし今回の新幹線車内における焼身自殺について、国土交通省は新幹線初の「列車火災事故」と認定しました。「新幹線」に起因する内容ではないにも関わらず、なぜ「事件」ではなく「事故」なのでしょうか。

 国土交通省に取材したところ、事件性の有無にかかわらず「構造物が燃えた」という判断で「火災事故」になったとのこと。そもそも「事件」と「事故」を分けて考え、そう判断されたわけではないのです。

 2003(平成15)年8月30日、長野県南木曽町内を走る中央本線の普通列車内で男が焼身自殺を図ったことがあり、このときも「列車火災事故」扱いになっているといいます。

 また同省によると、「煙が出た」程度では「火災事故」扱いにはならないものの、構造物が燃えたと判断されると「火災事故」になるそうです。そのため、仮に誰かが撒いた物だけが燃えた場合、それは「火災事故」ではありません。その火によって床や壁などへの類焼が確認されると、「火災事故」と判断されるといいます。

 新幹線初の「列車火災事故」に認定された今回の事態。「言葉の問題」はさておき、車内の排煙設備や警備体制など、新幹線のさらなる安全を考えさせられることになったのは事実です。ただ、新幹線が誕生から50年以上にわたって培ってきた「安全」自体に問題があり、それで「事故」が起きたわけではないのも、また事実です。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

2件のコメント

  1. 「岳飛」の銅像の足元に、彼を冤罪で処刑した「4人組」が、同様の状態でさらされている。向こうとは違い、日本では流石に、「放尿」したりはしないだろうが、、、。

  2. 何かしらの判断基準に沿って「事故」とするのは致し方ないでしょう。どこかの国のように都合良く基準を変えてしまうほうがおかしいわけで。テロ的な事件についてはセキュリティー等、事前・事後に何かしら対処すべきか検討する事案となり、さらに安全な新幹線システムとなっていくのでしょう。残念ながらお亡くなりになられた方もおられたが、報道ではガソリンの放火でも延焼をしなかった燃えにくい車内のことや事件後も自走出来た車両の信頼性など、改めて色々考慮されたものだと関心もしました。