豪華クルーズ船の巨大化が進むと食後のコーヒーが有料に? 背景にあるビジネスモデルの変化とは

いま、クルーズ船の大型化が加速しています。そこには「食後のコーヒーが有料」になるなど、クルーズ船の持つ優雅なイメージとは裏腹な、業界が抱える問題がありました。

一昔前まで9万トンが限界とされていたクルーズ船

 世界のクルーズ船社によって、超大型クルーズ船への建造シフトに拍車がかかっています。


 ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)は2015年6月19日、現在の世界最大船「オアシス・オブ・ザ・シーズ」(22万5000総トン)の船幅を1mだけ膨らませた「ハーモニー・オブ・ザ・シーズ」(22万7000総トン)を、フランス・サンナザレの造船所で進水させました。

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世界最大の船「ハーモニー・オブ・ザ・シーズ」のイメージ。2015年6月に進水し、2016年4月に就航予定(画像提供:ロイヤル・カリビアン・クルーズ)。

 その長さ362mで、幅は66m。そうした見上げるばかりの大きさを持つ巨大船の建造がいまブームになっている背景には、世界中に拡散し、激しくなる一方のクルーズ船社間の競争があります。


 この「ハーモニー」は、RCI社がメインマーケットと位置づけるカリブ海・欧州用に建造する22万総トン(総トンとは重さではなく容積の尺度)シリーズ3隻目の客船で、最大乗客定員も6360人程度に設定。基本的な船内仕様ではセントラルパークや、シンクロナイズドスイミングを楽しめるウォーターシアター、スケートリンクなど「オアシス」「アリュール」のシリーズ前2隻を踏襲しながらも、新たにウォータースライダーや、同社が16万総トン級の「クアンタム」クラスの船で始めたバイオニックバー、IT関連装備などを取り込んでおり、船内のアトラクションをまた一歩進化させています。


 RCI社はメインマーケットのカリブ、欧州には22万総トン級の船を再来年までに4隻とし、「世界最大」を売りにした運航体制を組むことを明らかにしています。また2016年4月、22万総トン級の「ハーモニー」就航と同時に、中国発の日本クルーズに投入されている16万総トン級の「クアンタム」クラスについても、新造船「オベイション・オブ・ザ・シーズ」(乗客定員4000人)を就航させる予定です。


 15年ほど前まで、クルーズ船といえばパナマ運河を通行できる9万トンが大きさの限界といわれていましたが、今世紀に入って大型化が進行。同社に限らず、マスマーケット各社の新造船は例外なく12万総トン以上と大型化が加速しています。

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