世界唯一の巨大運河が「雨水頼み」って本当? 巨大な“水のエレベーター”の弱点とは
中米のパナマ運河は、世界の貿易を支える「海の道」です。 深刻な渇水による通航制限が話題となりましたが、海面と同じ高さのスエズ運河とは何が違い、現在はどのような状況なのでしょうか?
船が山を登る仕組み? パナマ運河が「真水」を必要とする理由
パナマ運河は、太平洋と大西洋をショートカットできる巨大な航路ですが、その構造は極めて特殊です。
この運河は単に海をつないでいるのではなく、船を水門で区切ったプールに入れ、水の量を調節して持ち上げる「巨大な水のエレベーター」のような仕組みで動いています。
ここで重要になるのが、同じ運河でもエジプトの「スエズ運河」との決定的な違いです。
海面と同じ高さで海水がそのまま流れるスエズ運河とは異なり、パナマ運河は山を越えるために標高約26mの「ガトゥン湖」を経由します。
海水ではなく、山の上にある湖の「真水」を使い、その水位を上下させることで船を運ぶ仕組みなのです。
ただ、この仕組みこそが、パナマ運河の最大の弱点でもあります。
現在の運用の核心はガトゥン湖の水位管理にあります。船を1隻通すたびに山の上から膨大な真水が海へと流れ出てしまうため、運河を動かし続けるには湖に十分な水が蓄えられていなければなりません。
とはいえ、湖の水は流れ込む川を含めて降雨量に左右されます。すなわち、パナマ運河の動力源のすべてが「雨」に頼っているといえるでしょう。ゆえに、一度渇水が起きると、エレベーターを動かすための水が足りなくなり、物流が滞る原因となってしまうのです。



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