手放しでは喜べない? 圏央道延伸、そこにある懸念

便利になる圏央道、しかし、そこにある盲点

 2015年10月末に圏央道が東名から東北道までつながるのは、ドライバーとしては大変嬉しいニュースですが、圏央道が便利になれば当然、交通量は増えます。

 となると、東名と圏央道が接続する海老名JCTの渋滞は、さらに悪化することになるでしょう。

 海老名JCTは、JCT内の連絡路が大事なところで1車線に絞られており、現状でも時間帯によってひどい渋滞が発生していますから、今後増大するであろう交通量は到底さばけません。せっかく圏央道が新たな大動脈になっても、その最重要ポイントがパンクしたのでは意味も薄れます。

 ただ、国交省が2015年9月に出したリリース「首都圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)」で初めて、「首都圏の高速道路における渋滞ボトルネック個所」に海老名JCTの名前が加わり、本来の三環状(圏央・外環・中央環状)のネットワーク機能が低下しないよう、関係機関と調整のうえ、必要な個所で効果的な対策を講じるよう努めるとされました。

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相模川の堤防に接する形で建設された海老名JCT(2015年5月、清水草一撮影)。

 よって、今後は改良が検討されるはずですが、海老名JCTの現場は相模川の堤防に接する場所にあり、先般の鬼怒川の水害を見ても、JCTの改良はなかなかに困難でしょう。相模川左岸の堤防自体をほんの2メートルほど西に移設すれば、連絡路の拡幅は容易ですが、相手が人命を守る堤防となるとそう簡単にできるものではなく、可能だったとしても工事には数年を要します。

 2020年度に新東名の御殿場~海老名南JCT間が全通すれば、東名に集中している交通が新東名に分散され、海老名JCTの渋滞も緩和が期待できますが、それまであと5年。5年間、我慢するしかないでしょうか。これに関しては、「こんな設計をした方が悪い」と、責任を追及したいところです。

【了】

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Writer: 清水草一(首都高研究家)

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で、首都高研究家/交通ジャーナリストとして活動中。

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コメント

4件のコメント

  1. おおたかの営巣地と思いましたが?さっさと避ければいいのに・・・どうしても設計にこだわるのね。国立競技じょ・・・

  2. 圏央道が境古河からようやく、東北、関越、中央、東名とつながりますが、現状東北道以外は渋滞ボトルネックヵ所に繋がってるので、渋滞が環状、放射状に広がらないか心配しております。後は外環道もつながると渋滞の怖い存在になりそうです。

  3. 高速道路の用地買収には多数の地方公務員が従事している。多額の公務員人件費を投入して初めて成り立つ構造。こういう贅沢なあり方はこれからは許されないだろう。

  4. なんだか高速道路や首都高を充実する毎に都内の渋滞がよりひどくなってるんだよなぁ…
    新幹線と一緒でストロー現象が起きて東京以外はどんどん寂れてるし
    東京一局集中をいい加減なんとかして欲しい
    人が多すぎるのと車が多すぎるので時間ばっかり掛かって逆に効率が悪くなってる