欧州とは違う環状交差点、日本で普及するのか? その現状と課題

ヨーロッパでは一般的な「環状交差点」。その導入が日本でも少しずつ広がっていますが、実はヨーロッパとは少々、仕組みが異なっていたりします。日本における環状交差点の普及、「ただちに」というのは難しいかもしれません。

ヨーロッパとは違う日本の環状交差点

 警察庁は2015年12月3日(木)、信号が不要なドーナツ型の「環状交差点」が、11月末までに15都府県の計49カ所で導入されたと発表しました。

 昨年9月の道路交通法改正により、環状交差点が法的に許されてから約1年ですが、導入前と比べ人身事故が減ったほか、停電時に混乱が生じない効果も確認されたそうです。

 そもそもこの環状交差点とは、どういうものでしょう。

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東京都多摩市桜ケ丘の環状交差点。「一時停止」と「環状交差点」の標識が合わせて掲示されている(2014年、清水草一撮影)。

 環状交差点は、英語では「ラウンドアバウト」と呼ばれます。ヨーロッパには非常に多数存在し、日本で言う「普通の交差点」よりずっと多く感じます。

 形状は日本と同じですが、運用は多少違います。日本の環状交差点は、ロータリー手前で一時停止が義務付けられていますが、ヨーロッパのラウンドアバウトには一時停止の義務はありません。あるのは「道を譲れ」という義務だけ。つまりロータリー内を走ってくるクルマが優先で、場合によっては停止する必要も生じますが、ロータリー内にクルマがいなければ、いやロータリー内の車列に隙間があれば、そこに飛び込んでかまいません。

 ただし、ロータリーに飛び込む際もロータリー走行中もかなりハンドルを切る必要があるので、必然的に速度は落ち、仮に衝突事故が起きても大きな被害は生じません。

 ラウンドアバウトは、減速のみでも通過できて、信号待ちもなく、しかも優先車は常に片側(左側通行なら右側)からしか来ないので安全確認が容易で、燃費の向上だけでなく安全性もアップし、信号がいらないため停電にも強いという特徴を持っています。

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コメント

12件のコメント

  1. 『昨年9月の道路交通法改正により、環状交差点が法的に許されて』とありますが、以前多くの地方都市にあり(山口県徳山駅前、岩国駅前などに現存します。)、次々に廃止され、残っているのは田舎の証拠と揶揄されたロータリー交差点とは異なるのでしょうか。廃止された理由を確かめるべきではないでしょうか?私の経験では、交通量が一定以下でないと有効に機能しないように思います。

    • 環状交差点は「交差点」ですので環状交差点内では駐停車禁止です。ロータリーは明確な規制がありませんので、ところによっては駐停車可能でしょう。
      また、ところによってはロータリーは信号があったり、一時停止の標識があったりしますので、運用が異なります。

  2. 何書いてるんだ
    ラウンドアバウトは管轄する県警の方針にもよるが、本来は一時停止不要だって

  3. 首都高研究家として、美女木JCTの平面交差点のラウンドアバウト化を検討して頂ければと。過去に提案して実現したJCTのように、首都高、東日本会社が本気にやるかも。

  4. 「ヨーロッパでは、追い越し車線側にいるクルマがスキを見てそのままロータリーの内側車線に飛び込む」とありますが違います。イギリスを除き右側通行で追越車線は左側なので「右側の走行車線からそのまま内側の追い越し車線に飛び込む」と言いたかったのだと思います。

    • いえ、原文のままで合っていると思います。
      ヨーロッパで生活していますが、2車線以上のまま 2車線以上のラウンドアバウトにぶつかるところは多いです。

  5. 千葉市若葉区に平和公園墓地がありそこに
    環状型交差連があります。しかし、そこは墓地であり公園である為、制限速度20キロです。車が連続で来る所ではないので成り立っていますが、お盆の時期は大混雑し、女性ドライバーは入れず、クラクションまでも鳴らされます。ここ最近、悪ふーな車が増えたせいか、そのような人は強引にいきますが、普通の人はタイミングが解らないでしょうね。海外に視察にいった人は本当に理解してるのでしょうか?

  6. クルマの交差点に適してるとは思わないが、歩行者用例えばJR新宿駅構内メイン通路の交差地点をロータリーにしたら結構いけるのでは。

  7. またまた、海外経験の乏しい論評が飛び出して、ちょっと驚いています。
    2度目となると、国内評論の精度にも疑いを感じざるを得ません。
    テリトリー外の話は持ち出さない方が良いでしょう。

    今回、日本のラウンドアバウト(環状交差点)には、中に入る前に一時停止という信じられない規制があることを知りましたが、踏切手前で一時停止という日本ぐらいしか採用していない非合理的な規制が、日本の当局はお好きなようですね。
    もっと世界を見てほしいものです。

    さて、1枚目の日本の環状交差点の写真は故意に選ばれたのでしょうか?
    海外では、見通しの良い場所に設置されるのが普通で、前方の視野を防ぐような木が生い茂ったものは、それほど多くはありません。2枚目に掲載されているスイスの写真ですが、中央に障害物があるものをわざわざ選ばれている点でも、何か恣意的なものを感じてしまいます。

    そもそもの目的は、交通の円滑化と保守費用の削減にあるはずですから、一時停止を強制していると言うことは、設置場所の選定を誤っているのかもしれません。まさか、設置の際にわざわざ中央に植栽して見通しを悪くすると言うのは、まったく世界標準を理解していない行政当局者の発案ではないでしょうね?

    時々見通しの利かない1周数百メートルになるような巨大なものにも出くわしますが、一般的には小規模で見通しが良い場所に設置されます。ゆえに、どの方向から車が来るのか一目瞭然で、それに応じていつでも止まれるように減速することができます。

    2ページ目で一時停止してしまう日本人とありますが、どこから持ち出されましたか?
    机上の空論だと思えます。
    そもそも、海外で車を運転される日本人は、増えてきたといえ少数派です。そこに、登場から1年程度しか経過していない上に、日本全国を探しても数十カ所しかないラウンドアバウトを毎日のように利用されている方が、ヨーロッパで運転するという都合の良い設定が当てはまるでしょうか?
    いても数人レベルで、それらの方が現地のルールを知らずに運転するとは到底思えません。作文であることが、簡単に見抜けてしまいます。(この記事のおかげで、貴殿の記事に対する見方を変えなければならないと悟りました)

    ラウンドアバウトの欠点はご指摘の通りですが、実際にそんな場所に設置する間抜けな国(現地警察?)は、滅多に見かけません。欧州でも約30カ国で運転していますが、そんな不適切な場所に設置されているものは、珍しい存在といえます。(例:片側1車線道路にもかかわらず、大きなモールの出入口周辺で町の中心に接している交差点)
    長年の運用から、不適切な場所に設置しないというノウハウが蓄積されているのだと思います。まさに適材適所です。

    「追い越し車線側にいるクルマがスキを見てそのままロータリーの内側車線に飛び込む、という芸当」という記述は、完全な誤りです。2車線進入の場合、右側通行で左折車は原則内側を走るのがマナーですし、実際にそのように路上矢印が表示されていることも多くあります。直進車は内側でも外側でも走れますし、右折車は当然外側車線を走ることになります。
    決して「芸当」ではなく、それが暗黙の了解事項でもあります。(貴殿のように慣れていない方には、芸当に見えるのでしょうが)

    「ロータリーを作るにはそれだけ広い面積が必要になり」という記述も大きな誤りです。
    一度本家であるイギリスや、ロータリー交差点の多いフランスの田舎町でも走ってみてください。
    何も、大きな構造物を円形に作ったものがロータリーではありません。交差点中央部に直径2メートル程度の少し盛り上がりを付けた構造物を埋め込むロータリーもあちこちで活躍しています。住宅地の道路にも設置可能ですし、多少の盛り上がりがあることから猛スピードで飛ばす車の速度を落とさせる効果も望めます。

    つまり、ラウンドアバウト(ロータリー)とは、「中に入っている車が優先する信号機のない交差点」という定義の方がしっくりくるはずです。(中優先の例外も少数存在しますが、それらをラウンドアバウトとは呼ばないのかもしれません)

  8. 「ラウンドアバウトはロータリーなので、退出する方向を見失った場合、そのまま何周でもグルグル回っていて良い」

    他の方も指摘していますが、環状交差点は交差点であり、日本の道交法では交差点内は駐停車禁止です。
    大抵の場合、主にバスやタクシーなど車を停車させる機能を持つロータリーとは全く別物です。

    また、海外のことに言及されていますが、オーストラリア、ニュージーランドでは、
    ラウンドアバウトを1周以上することは、厳密には「違反」だったと記憶しています。

    環状交差点の適する所、適さない所という判断は、決定的にはその交差点の交通量に依存します。
    環状交差点では、一時停止義務の有無に関わらず、環状路を走っている車に優先権があります。
    環状路を走る車が途切れない限り、そこに進入する道路から環状路に入ることはできません。
    その待ち時間が長くなり後続車が連なるような場所では、信号交差点とした方が安全かつ円滑です。
    (この観点から言えば、美女木JCTのランプウェイは信号交差点のままで適切です)

  9. 六本木ヒルズのセンターループもラウンドアバウトですね
    真ん中が駐車場になっているので外からも中からも出入りがあるので
    夕方に進入すると合流が大変でした

  10. 最も欧州でもドイツやロシアに関して言うと、環状交差点は少ない。
    ドイツはアウトバーン誘発的なやり方の為か信号が異様に多く、繋ぎも悪いと感じます。
    ロシアはアジアロシアは進んでいるけど、欧州ロシアは殆ど見られずこちらも信号が多いです。

    環状交差点は地方では信号機の代わりに多く導入した方が良いし、中四国の信号機(広島や徳島など)でもある点滅信号型の押しボタン信号を全国的に復活した方が良い。(要は幹線閃光方式で普段は点滅だが、押しボタンを推せば黄色点滅側が青になり赤になった後、歩行者用と赤点滅側が青になり、歩行者と赤点滅側が赤になった後、点滅に戻る方式。山梨や静岡にもある。)
    交通量が少ない押しボタン式信号機の交差点は点滅信号の方が渋滞を却って減らせると思いますから。

    神奈川県に閃光方式の押しボタン信号が入れば渋滞緩和が出来ると思うけどね。