自動ブレーキで事故6割減 変化迫られる自動車保険
10%引では物足りない? 自動ブレーキの大きな実績
2010年から2014年にかけて、日本で発生した交通事故(交通事故総合分析センター(ITARDA)のデータ)のうち、自動ブレーキを搭載したスバル車(「アイサイト(ver.2)」)と、自動ブレーキ無しスバル車について比較したところ、自動ブレーキ付きは無しに対して、約6割もの事故低減効果が見られるのです。特に追突に関しては8割以上の低減率で、極めて顕著な差があります。
スバルの運転支援システムである「アイサイト(ver.2)」は、車両だけでなく2輪車や人を検知し、速度差が30km/h以内なら自動ブレーキで衝突回避か被害軽減を行うわけですが(現在は進化型の「ver.3」が速度差50km/hまでカバー)、実際にこういうデータを見せられると、来年からの任意保険料10%割引という数字が、非常に物足りないものに感じてしまいます。
ただ「自動ブレーキ」といっても、その性能は千差万別です。たとえば軽自動車に搭載されている自動ブレーキは、30km/h以下で走行中に車両に対してだけ働く簡易型が主流。そういったものとスバルの「アイサイト」とでは大きな性能差があり、「先進安全自動車(ASV)」でひとくくりにした割引を設定する場合、約6割の事故低減率をそのまま反映させるわけにはいかないのは理解できます。
では、「アイサイト」が標準装備されている車種はそもそも保険料が安い(「料率クラス」が低い)のかというと、現状はそれほどでもありません。たとえば「アイサイト(ver.3)」が標準装備のスバル「レヴォーグ」(1.6)は、料率クラスが「4/4/4/5(対人/対物/同乗/車両)」となっており、平均よりやや低い(安い)程度です。
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