自動ブレーキで事故6割減 変化迫られる自動車保険

技術の進化で損保業界に激震?

 保険金の請求は、自宅車庫内での自損、盗難、いたずら、風水害など様々なケースがあり、クルマによって修理代金にも差が出るので、いわゆる「交通事故発生率」が保険の「料率クラス」へそのまま反映されるわけではありません。加えて「料率クラス」が下がるのも上がるのも、そのモデルの登場から多少時間を要する仕組みになっています。

 ただ、それにしても割引が10%というのは、首をかしげたくなります。

 しかしこういった現状は、近いうちに変わってくるかもしれません。

「損害保険は金融庁の管轄下にあり、商品は認可性ですが、申請をすれば新商品の認可を取ることは可能です。近年登場した、年間走行距離で保険料を割引くリスク細分型もそのひとつですが、今後、自動ブレーキ搭載車について、車種ごとに割引率を変える保険が出てくる可能性はあると思います」(大手保険代理店役員)

 また、そう遠くない将来の実用化が確実視されている自動運転技術は、事故率をさらに大きく下げるでしょう。自動運転にも性能差は出るでしょうから一概にはいえませんが、仮に9割それが普及すれば、事故発生件数がひとケタ近く下がる可能性もあります。

「そうなったら年間8兆円の規模を持つ損害保険業界を大激震が襲う」と危惧(?)する向きもありますが、それについては、「まだ検討もされていません」(損保業界関係者)とのことでした。

【了】

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Writer: 清水草一(首都高研究家)

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で、首都高研究家/交通ジャーナリストとして活動中。

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