登坂車線を右側追越しに変更 中央道

登り坂による交通の流れへの影響を抑える手段として、「登坂車線」ではなく、「右側付加車線方式」が中央道で試行されます。

自由度の高い車が自ら追い抜く形に

 NEXCO中日本は2016年2月19日(金)、低速車が交通の流れを妨げる可能性がある登り坂区間において、左側へ登坂車線を設けるのではなく、右側へ車線を付加する方式を試行すると発表しました。

「登坂車線方式」は低速車が左側の車線へ移動し、後続車に道を譲る形です。それが「右側付加車線方式」では、速度の自由度が高い車両が低速車を右側から追い抜く形、いわば登り坂区間に追い越し車線が追加される形になります。

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「登坂車線方式」と「右側付加車線方式」のイメージ(画像出典:NEXCO中日本)。

 これは国家公安委員会委員長(当時)主催による「交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会」において、2013年12月に取りまとめられた提言を受け、試行されるもの。速度的な自由度が高い車両が自ら追い抜く形にし、低速車の待避や合流を無くすことで、安全性の向上が期待されるといいます。

 試行が実施される場所は中央道の下り線、多治見IC(岐阜県多治見市)から小牧東IC(愛知県小牧市)までの登り坂区間およそ3.7kmです。これにより、遅い大型車などが登坂車線から走行車線へ合流するときの、また登坂車線を使った無理な左側追い越しに伴う事故リスクが軽減されるか、検証するとのこと。

 運用の開始時期について、NEXCO中日本は決まり次第、発表するとしています。

【了】

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コメント

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19件のコメント

  1. うん。この方が自然な流れが出来る気がしますね。

  2. こんな当然の事がやっと実現!
    登るだけでやっとの車に車線変更を強要する事が如何に虐待的であるか?

  3. 全国の登坂車線をこのような追越車線付加に改修すべき。低速車両と自覚してないことが多いために、左側追い越しというイレギュラーが生じ、危険である。

    さらにつっこめば平地の一般道でも、車線数が変わる所で最も左の車線を増減してる箇所が多数ある。特に車線増加工事してる路線。どうせ拡幅工事が終われば白線引き直すのだから、こちらも右車線の増減とするように徹底してもらいたい。

    ...安全で快適で効率良く流れる道路である為に。

  4. 一般国道でも導入してほしい。

  5. 左車線から追い越されても
    何とも思わない迷惑車両

  6. これでヒステリックな暴走野郎を隔離できる。

  7. この方法だと登り区間の手前で渋滞が増えるのでは
    走行車線より追越車線の方が少ないんだから車両の大半が巻き添えを食う
    すると流れが全体的に遅くなって区間手前の渋滞を悪化させる
    普段は流れに合わせてる車までが追い越し始めて結局は危険が増すのでは

    • tomoさん
      それは無いんじゃないかな?
      登り坂で速度が落ちているのに気付かず、走行車線を走り続ける車がいる今の状態の方が、渋滞の原因を作っていると思う。

      さっきまで100kmで走っていた車が、上り坂でいつの間にか80kmぐらいまで速度が落ちるのを見かけるのは日常茶飯事。
      気付かない人は結構多いんだよね~

    • S.hiroyukiさんに同意。渋滞の発生もその通り。JHも広報してる。

      流れが遅くなった時に、避ける手段が「正しい方法」になるだけ。左の登坂車線を追い越しに使うのは異常。というか危険。2+1車線の「1」が右に移る事でより有効に使えるようになるので、実質の容量が増える。それで渋滞が悪化するとは思えない。

    • ごめんなさい、JHじゃない、NEXCO。
      (JHもしてたけど、古っ‼)

  8. 是非実施して効果を発表してほしいです。もともと登坂車線は最低速度の50km/hより速く登れません、という車はこちらへ、という発想で設置していたのですよね。現代の自動車の性能に合わせた発想の転換だと思います。

    それから大部分を占めるオートマの乗用車の方、お願いですから上り坂になったらアクセルを踏み込んで、加速してくれとまではいいませんから速度を維持してください。

    • いや、マニュアルでも一緒だし。オートクルーズ中でなければ、ドライバー次第。

  9. 追越車線から本線に戻ってくるときの俺様運転手たちのテクニックが見物だなw

    • 登坂車線の終わりで接近車の前に無理やり割り込んでくる低速車とどっちが安全かだな。

  10. 総論的には賛成。
    比較的勾配が緩い箇所の登坂車線としてはこれで良いと思う。

    ただし、道路形状(勾配・カーブ)によっては積荷の重いトラックやトレーラーは、
    高速自動車国道の最低速度(50km/h)を割り込んでしまう場合がある。
    これは、新型のトラックであっても過積載をしていなくても、そういう場合はある。
    勾配のきつい箇所には、従来通りの「本線車道とは見なされない登坂車線」が必要だろう。

    • それ、道路の線形悪すぎませんか? 設計間違ってると思う。ちなみにそういう区間の制限速度は何km/h? 100じゃない区間は最低速度も見直すべき。(実際50km/h規制時の最低速度が50のままでは、皆が速度違反。)

      あと、遅い車を追い越す為に追越車線があるわけだから、この改良だけで充分に思う。

  11. ヨーロッパの高速道路では、右側からの追い越しは違反です。その危険性はちょっと考えてみればわかります。追い越しを終えて走行車線に戻る車に、後ろから高速で接近する車があればどうなるか。

    • そりゃヨーロッパは右側通行だから
      左右対称にしたら同じことじゃん

  12. 登坂車線など遅い車をわざわざ車線変更させてどかすより、速い車(余裕がある車)が車線変更する方が理にかなってる。
    本質を突いたナイスな変更。
    ただし今更感がある。
    ヨーロッパでは数十年前から当たり前のこと。