飽和するポイント制度、生き残るには? あえて内にこもったJR東日本

JR東日本グループの共通ポイントサービス「JRE POINT」が始まりました。「一億総ポイント会員化の社会」とも呼ばれ、幅広く、様々な企業が連携して展開する例が多い現在のポイントサービス。なぜそこでJR東日本は、「グループ内」という選択をしたのでしょうか。

ある意味、JR東日本だからできる戦略?

「ポイントカードは“数の戦い”になっています。これからの時代、特徴的な戦略が必要です」(野村総合研究所上級コンサルタント、安岡寬道さん)

 現在、企業が発行する「ポイント」は年間1兆円規模になっており、成熟化するなか、特徴的な戦略が必要と安岡さんはいいます。また自前のポイントと比べ、共同ポイントは規模のメリットがあるものの、自由度や得られるものといった面で“共同”であることのデメリットも存在します。

 そうしたなかJR東日本は、とにかく自分たちのグループではそれが「分かりやすく」「貯まりやすく」「使いやすい」というハッキリとした特徴を提示し、この「JRE POINT」を開始。「一体感のあるグループサービス」(JR東日本事業創造本部部長、松崎哲士郎さん)というメリットを、「一億総“ポイント”会員化の社会」(野村総研、安岡さん)における戦略にした形です。

 またJR東日本は鉄道をはじめ、ホテルや小売りなど様々な事業を展開していますが、駅ビルは地域密着度が高いといった理由などから、グループ内のポイントは24種もあるとのこと。使いやすいとはいえないその状況に、「まとめたほうがいい」という声が内部にあったといいます。

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JR東日本グループの共通ポイントサービス「JRE POINT」のイメージ(2016年2月、恵 知仁撮影)。

 ただJR東日本によると、この24種類のポイントサービス、会員数は合計で約1800万人とのこと。すでにそれだけの規模の会員を獲得できている同グループですが、ポイントの共通化によりグループ内の相互送客、利便性向上による新規顧客獲得といった効果を得て、さらなる発展につなげることもできるでしょう。

 また、逆にこうした「グループ内で」という戦略をとれるのは、首都圏を事業エリアとし、大勢の人々が日々利用する交通インフラを中核にしている企業だから、といえるかもしれません。

「JRE POINT」は、まず数年後の会員数1100万人を目指すとのこと。鉄道との連携についても、順次進められていく予定です。

【了】

Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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