「戦車」から「カーナビ」を考えた!? 世界初を生んだホンダのトンデモ発想とは? ただトンデモなく面倒だった!?
世界初のカーナビを開拓したのはホンダでした。その発想の源は、なんと“戦車”。そこからどうやって製品化にこぎつけたのでしょうか。初期の“超アナログ”方式は、今なお、スマホのナビの弱点を補っています。
「手動で調整」するマップって…?
他方、今と比べるとこのカーナビは極めてアナログ的。「自車の位置を割り出す方法」として、方向とタイヤ回転から算出する走行距離センサーによって、移動方向と移動距離を検出するという気が遠くなるようなシステムでした。
そして、なんとか検出された結果を、16ビットのマイクロコンピュータで演算させ、ブラウン管モニター上で、起点からの走行の軌跡を光の点で表示させていました。このときブラウン管の背面に、道路地図が印刷されたセルロイドシートを入れ、走行の軌跡を地図上に映し出していました。
また、特に冬場の寒い時期には、ジャイロセンサーの起動が不安定で、一定距離を暖機運転した後に停車させ、走行軌跡と地図を重ね合わせる必要もありました。それでも自車の位置とジャイロケーターシステムの表示にズレが出た場合は、手動でマップを調整する必要もあり、「便利なシステムのはずが、かえってややこしいことになっている」面も否めませんでした。
しかし、このホンダの開発は「精度を高めれば、一大革命になる」と、危機感を覚えた他の自動車メーカーもこぞってカーナビ開発に着手します。
トヨタが「ナビコン」という独自開発のカーナビを2代目セリカXXに搭載させ、日産も「ドライブガイドシステム」をR30型スカイラインに搭載。各社ともしのぎを削り合うようにカーナビを進化させていきました。
草分けとなったホンダの「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」ですが、後にアメリカのメーカーがデジタル式マップを発表したことで、開発を中止。結果的にアナログ式のマップナビは姿を消すこととなり、ホンダもデジタルマップ開発に取り組むようになりました。
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