「戦車」から「カーナビ」を考えた!? 世界初を生んだホンダのトンデモ発想とは? ただトンデモなく面倒だった!?
世界初のカーナビを開拓したのはホンダでした。その発想の源は、なんと“戦車”。そこからどうやって製品化にこぎつけたのでしょうか。初期の“超アナログ”方式は、今なお、スマホのナビの弱点を補っています。
GPS普及で、逆に見直されたアナログ式
しかし、1990年代にGPSが一般にも浸透すると、かつての「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」の知見が生かされるようにもなります。
GPSの電波が届かない地域などでの位置検出は、完全なデジタルでは補うことができない一方で、ホンダのアナログ式のマップナビの技術が補助的な役割を果たすようにもなりました。この技術は、当初の開発から10年前後のときを経て、「無駄ではなかった」ことを証明する結果になりました。
また、この偉大なホンダの功績は、自動車産業、電機産業双方で多大な評価を受けることにもなり、IEEE(米国電子電機学会)から自動車業界初となる「IEEEマイルストーン」の認定を受ける名誉も得ました。
今日のホンダのカーナビは、「インターナビ」というシステムが取り入れられており、通信型でスマートフォンやパソコンとも連想させ、従来のカーナビ機能をさらに使いやすく進化させています。
冒頭の通り、近年のGoogleマップなどの進化もあり、そのありがたみが少々薄れつつあるカーナビですが、1981年にホンダがリリースしてからの40数年、利便性と多くの功績を残したことは事実。
この先のカーナビの未来がどうなるかは予想できませんが、仮にその役割がスマートフォンや最新鋭デバイスにとって変わることになったとしても、これだけ慣れ親しんだカーナビです。あえて最新デバイスではなく、カーナビを起動させ、「この時代の移動はなんだか味があって良かったな」と、多くの人たちが「カーナビ愛」とも言うべき特別な想いを抱くように思います。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。
コメント