「3社直通のロングラン特急」に乗ってみた 最新鋭車両で紀伊半島を半周!車内には「ミニ美術館」も

名古屋駅と紀伊勝浦駅を結ぶ特急「南紀」は、2023年7月に新型車両であるHC85系が投入され、車両が刷新されました。

快適性が向上した特急「南紀」

 名古屋駅と紀伊勝浦駅を結ぶ特急「南紀」は、長大なローカル線ともいえる紀勢本線を走ります。長らくキハ85系が活躍してきた列車ですが、2023年7月に新型車両であるHC85系が投入され、車両が刷新されました。この新型車両は、車内に「ミニ美術館」まである意欲作。どれほど快適性が向上したのか実際に乗って確かめてきました。

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新宮駅に停車する特急「南紀」(乗りものニュース編集部撮影)。

 特急「南紀」は現在、名古屋~紀伊勝浦間3往復、名古屋~新宮間1往復の計4往復が運行。名古屋~紀伊勝浦間を乗り通した場合、約4時間を要する乗りごたえのある列車です。一部区間では第三セクターの伊勢鉄道を経由し、JR西日本管内の紀勢本線(新宮~紀伊勝浦)も走るため、JR東海と伊勢鉄道、JR西日本の3社にまたがって走行する珍しい在来線特急となっています。

 HC85系は、ハイブリッド方式の鉄道車両では国内初の120km/h運転を実現した特急形気動車です。電気モーターを駆動させるハイブリッド方式のため、ディーゼルエンジンで走る先代のキハ85系と比べて静粛性が高く、快適性が向上しました。HC85系は高山本線の特急「ひだ」にも投入されていますが、「南紀」は「ひだ」と違ってグリーン車の設定がなく、全車単一クラスとなっていることが相違点です。

 今回、名古屋駅を8時2分に発車する「南紀1号」に新宮駅まで乗車してみました。通常は2両編成ですが、この日は4両に増結。車内に入るとまず、鮮やかなオレンジ色の座席が目につきます。この色彩は、特急「ひだ」が走る高山線沿線の紅葉や祭り、花火をイメージしたものだといいます。

 座席は柔らかすぎず、硬すぎない絶妙な座り心地です。先代のキハ85系はかなり柔らかめの座り心地でしたが、HC85系の座席はしっかりと体にフィットし、快適性が上がっています。現代の特急車両では必須の設備となっているコンセントは、肘掛けの内部にあり、使いやすい位置です。窓も大きく、かつて「ワイドビュー」の愛称でも知られていたキハ85系譲りの眺望が楽しめます。

「南紀」は世界遺産である熊野古道へのアクセスも担っています。平日ということもあり、車内はやや空席が目立ちましたが、熊野古道を目指すとおぼしきシニア層や外国人観光客の姿もみられました。

 名古屋を出ると、しばらくは市街地を走り、木曽川や長良川、揖斐川などの鉄橋を次々に渡っていきます。化学コンビナートが見えてきたら四日市に到着。この先は伊勢鉄道に入り、高架駅の鈴鹿にも停車します。鳥羽方面へ向かう参宮線との分岐駅である多気を過ぎると、車窓は山深くなってきます。

【画像】え!? これが特急「南紀」車内にある「ミニ美術館」です

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