利用者2.5倍 北海道新幹線、開業3日間 各駅には大きな差も

北海道新幹線が開業後3日間、前年比2.5倍の利用者を記録。平均の乗車率は43%でしたが、そこには懸念も見えます。また各駅の利用者について、大きく差が出ました。

当面は26%を想定する北海道新幹線

 JR北海道は2016年3月29日(火)、北海道新幹線の開業後3日間における利用状況を発表。利用者数が前年の在来線時代と比較し、平均で約2.5倍になったことを明らかにしました。

 このたび開業した北海道新幹線の新青森~新函館北斗間について、初日の3月26日(土)は約1万4200人が利用。前年比329%という数字を記録しています。また、27日(日)は約8700人で前年比208%で、28日(月)は約6800人で前年比197%。3日間の平均では1日あたり約9900人、249%という結果です。

 これら数字は上下列車の合計で、前年の同曜日期間における在来線の特急・急行列車(中小国~木古内)と比較したものです。

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青函トンネルを通過する北海道新幹線のH5系電車(写真出典:photolibrary)。

 乗車率について、初日の3月26日(土)は61%でしたが、27日(日)は37%、28日(月)は31%と半減に近い数字になっています。3日間の平均では43%です。

 JR北海道は北海道新幹線の乗車率について、当面のあいだ26%を想定。そして老朽化が進む青函トンネルの維持費などで、しばらくは年間50億円規模の赤字が続くとみています。

 また、北海道新幹線の各駅における3日間の利用者は、新函館北斗駅(北斗市)が開業日から順に約4000人、約3400人、約2500人と平均で約3300人でした。

 対し、木古内駅(木古内町)は約600人、約300人、約200人の平均300人強で、奥津軽いまべつ駅(青森県今別町)は約500人、約200人、約100人の平均約300人弱。終点の新函館北斗駅とそれ以外の駅では、利用者がひと桁異なる結果になっています。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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1件のコメント

  1. たしか、北海道新幹線の真の目的は仙台~札幌を早く結ぶことだと思う。
    新千歳~仙台を結ぶ飛行機が少ないからそう言う点では必要である。
    需要を作り出す考えを持つことがどこでも必要になるだろう。