黒い舗装より良くない? あえて「コンクリート」採用する理由とは アスファルトとどう違う?

路面の舗装で使われている素材は主にアスファルトですが、コンクリートが使われているところもあります。このふたつの素材は、具体的になにが違うのでしょうか。

車道以上に歩道で多用されるコンクリート

 コンクリートの場合は、この接着剤の役割を、水でセメントをまぜた「セメントペースト」が果たします。セメントに水を加えるとセメントの主要な成分と水が反応し新しい化合物ができ、砂利や砂と結びつきます。こちらは舗装に使う場合、コンクリートミキサー車でゆっくり混ぜ合わせながら、現場へ向かうのが一般的です。

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急斜面用に舗装されたOリングつきコンクリート路面(画像:写真AC)。

 なお、道路での使用例は圧倒的にアスファルトの方が多くなっています。それは加工が容易だからです。

まず硬化時間が全然違います。コンクリートが硬くなるまで最短で24時間を要し、クルマが走行できるまで硬くなるまで3日かかりますが、アスファルトの方は最短5時間で済むので、舗装や修理の際に迅速な工事が可能です。

 また柔らかいため修繕も簡単で、静音性があり、コンクリート舗装に比べて安価で済みます。ただ、衝撃が加わり続けると、ひび割れや大きな亀裂が生じやすいという欠点はあります。

 コンクリートの舗装は初期費用もかかり、加工も困難ではあるものの耐久性が高いです。このため、容易に通行止めができないトンネルや、大型車が多い高速道路などで使用されることがあります。そうした場所では、コストが高いかわりに20年は持つと言われているコンクリート路面が真価を発揮します。

 また、路面が白色で反射しやすいので、照明などの電気代節約や路面温度の上昇を防ぐという利点もあるようです。

 ほかにもコンクリート舗装が昔から使用されている場所として、勾配が急な坂道などが挙げられます。こうした坂道では、クルマや自転車などがスリップしないために、ドーナツ状のへこみが作られたコンクリート路面が舗装されています。

 なお、歩道に関しては車道よりもコンクリート系舗装の使用頻度が高くなっています。例えば、陸上競技場のウレタン舗装のように赤や青系の色で着色されている比較的柔らかめな路面を見かけることがあります。このタイプの路面には、コンクリートから粗骨材を抜いたモルタルに、樹脂性の混和剤を混ぜた「樹脂モルタル」が舗装に使われています。

 ほかにも、路面に敷き詰めるブロック状の舗装材である「インターロッキングブロック」についてもコンクリートを使用したものとなっています。

 このように歩道でコンクリートが多用されるのは、景観を良くするほかに、水はけがいい、歩道の方がクルマの重量による損傷などを気にしなくていいので、インターロッキングブロックを敷き詰めることで工期を短縮できるといった理由があります。

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