中近距離輸送を変えるBEVトラックの可能性とは? 運送業界の未来につながるゾウモーターズの取り組み
BEV(電気自動車)トラックを開発・販売する新エネルギー商用車メーカー「ZO MOTORS(ゾウモーターズ)」が2025年1月15日に事業説明会を実施し、花田晋作CEO・代表執行役社長が登壇しました。
住宅街などを回ることが多い中近距離輸送がターゲット
BEV(電気自動車)トラックを開発・販売する新エネルギー商用車メーカー「ZO MOTORS(ゾウモーターズ)」が2025年1月15日に都内で事業説明会を実施し、花田晋作CEO・代表執行役社長が登壇しました。
ゾウモーターズは、香港に拠点を持つZO FUTURE(ゾウフューチャー)グループからの出資を受けて設立された日本法人であり、日本で車両開発、車両販売、アフターサービスを実施し、実際の車両生産は中国にあるOEM工場によって行う、自社で工場を持たないファブレスメーカーです。日本のほか、香港、アメリカ、中国、シンガポール、カンボジアに拠点を持ち、多数のサプライヤーと連携することで、コストパフォーマンスに優れた新エネルギー商用車をリリースできるのが強みとなっています。
登壇した花田氏によると、現在日本国内の商用車市場においてはハイブリッド車が減少傾向となり、もうひとつの新エネルギー商用車である水素自動車は伸び悩んでいるのが現状で、逆にBEVは徐々にコストが下がってきたことで需要が増加しているというデータがあるとのことで、国土交通省が掲げた電動化推進目標の総台数に対する25%、2万6575台がターゲットだそうです。
その台数のうち、2025年中には1.5%の300台、2026年には3%の800台、2027年には8%の2100台の販売台数を目標としているとのことで、充実したアフターサービスとユーザーからの声を吸い上げて話し合う中で目標を達成したいと語りました。
アフターサービスについては、一般社団法人日本自動車車体補修協会(JARWA)に加入して全国でサービスを提供する体制を整えたほか、日本ロードサービス(JRS)と業務提携を行うことで、24時間365日対応可能な全国規模のロードサービスのサポート体制を整えるだけでなく、現在の東京本社、大阪の西日本営業所、埼玉の東日本サービスセンターに加え、西日本や中部、九州地区にもサービスセンターを開設する計画も予定されているそうです。
また車両についても、現在ユーザーの意見を聞くための市場調査の目的で投入された「ZM6」に加え、2025年12月には車両総重量5t、最大積載量2t、航続距離180kmの小型トラック「ZM5」を、そして2026年6月には車両総重量7.5t、最大積載量4.5t、航続距離350kmの中型トラック「ZM8」を導入予定とのことです。
さらに2026年12月には現行の普通免許で乗ることができる3.5tクラスの小型トラック3車種も投入を予定しており、現時点で発売の予定などはないものの、軽トラックにも注目しているそうです。
なお一口にトラックといっても、日本を縦断するような長距離トラックから、サービスセンターを拠点に決められた範囲を配送で回るトラックまでさまざまですが、ゾウモーターズがターゲットとするのは中近距離で、やはりBEVには航続距離の問題があるため、住宅街などを回ることが多い中近距離輸送の中小企業がメインとなるそうです。
実際、すでに住宅街に倉庫や拠点を持つ運送会社にZM6を実証実験として使用してもらっており、ここでのデータを基にさらなる開発が進められるとのことです。
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