「満席で乗れない!」相次ぐ高速バス ついにコロナ前まで需要回復も“便数不足” 盛況の路線/ざんねんな路線で“明暗”

高速バスがコロナ禍の低迷から抜け出し、「コロナ前」の旅客数まで戻りつつありますが、便数はコロナ前に至らず「満席お断り」が多発。路線の種類によって明暗が分かれています。人手不足にバス業界はどう立ち向かうのでしょうか。

利用者目線に欠ける「一部便は運休」の背景

 高速バスも空港連絡バスも、需要の高い路線は複数の事業者が共同運行することで多くの便数を確保してきましたが、事業者の間で足並みが揃わない路線が生まれています。

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青森と東京を結ぶ夜行バスの老舗、弘南バスのパンダ号。2024年12月から新たにさいたま新都心へ乗り入れた(乗りものニュース編集部撮影)。

というのも、一部の事業者のみが運行を再開し、その事業者の元々の担当ダイヤをそのまま運行している例が目立つのです。逆に言えば、“少ない便数”を前提にベストなダイヤを組めていないことになります。

 年度ごとに担当ダイヤが入れ替わる「持ち回り制」の路線では、4月1日に運行ダイヤが自動的に変わる、という例さえ生まれています。「3月末までは朝の便が運休していたのに、4月からは朝便が運行し午後便は運休」というイメージです。完全に事業者都合ですから、利用者不在と批判されても仕方ありません。一部便の運休が長く続くなら、それを前提に暫定的なダイヤ改正を実施すべきです。

 一方、札幌~北見・網走のように、「管理の受委託」制度を上手に活用し、貸切バス事業者が高速バスの運行を肩代わりすることで便数を維持している路線もあります。

 筆者の世代(今年53歳)に比べ、今年の新成人(18歳)の人口は約半分、さらに赤ちゃんは3分の1しかいません。つまり国全体の労働力不足は構造的、長期的な問題で、バス乗務員不足は一朝一夕には解決しません。以前のような供給力はもう望めないことを前提に、複数のバス事業者間で協力して効率よく運行するとともに、地元に定着した路線や今後の成長を望める路線にリソースを集中するなど、メリハリの利いた戦略が求められています。

【え…!】どう見てもJRバスにしか見えない「私鉄系バス」(写真)

Writer:

1972年兵庫県生まれ。早大商卒。楽天バスサービス取締役などを経て2011年、高速バスマーケティング研究所設立。全国のバス会社にコンサルティングを実施。国土交通省「バス事業のあり方検討会」委員など歴任。著書に『高速バスのビジネス』(成山堂書店)、『「マーケティング感覚」の実装力』(同文舘出版)。新聞、テレビなどでコメント多数。

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コメント

1件のコメント

  1. なるほどね。こういう人がマーケティングしているから業界の本当の苦労が分からないんだね。

    利用者目線に立った便数維持?

    運行出来る事業者をその便に委託すれば良いと簡単に言うけど、出来ないから運航していないのが事実。

    都内発を運行できても、帰りがなければ結局利益を食いつぶすことになるから運行しないのは当然。

    JRのように三角ダイヤにすれば運行の無駄は減るが、乗務員はずっと拘束されて自宅に帰るのは数日に1回。それなのに給料は運行時間と付帯する時間だけ。

    出先だろうが地元で有ろうが勤務時間外は同じ扱いになってしまう現状を変えるべき。

    自宅に戻っていない勤務外は、安くない手当てをつけないといけない法制度を作るべき。

    業界をマーケティングするならば、運転手の存在を運転する機械と考えることから正すべき。

    運転手の重要性と報酬を軽く見すぎている世の中が、自分たちの利便性を損ねた事を認識すべき。

    お客様第一主義の履き違え、乗客も大事だが、サービスを提供する人材がいなければ成り立たず、その、運転手の立場はもっと尊重されなければならない。

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