異形の自衛艦「びんご」進水! 音響測定が任務のレア船 どこに配備される?
「ビンゴ」じゃなく「備後」。
潜水艦などを探知するための「音紋」収集が主任務
防衛省は2025年2月17日(月)、三菱重工マリタイムシステムズ玉野本社工場(岡山県玉野市)において、ひびき型音響測定艦4番艦の命名・進水式を実施しました。
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「びんご」と命名された同艦の主要目は、全長67m、幅29.9m、深さ15.3m、基準排水量は2900トン、乗員数は約40名です。機関型式はディーゼルエンジンと推進用電動機(モーター)の組み合わせで、出力は3000馬力、速力は約11ノット(約20.37km/h)です。
音響測定艦は、海洋における音響情報の収集を目的とする艦艇で、ひびき型は主に日本周辺海域で音響情報の収集を行っています。武装はないものの、SURTASS(サータス)と呼ばれる曳航ソナーを装備しており、これを用いて潜水艦を含む各種艦船の「音紋」と呼ばれる音響情報を収集します。
自衛艦としては唯一の双胴船型をしていますが、これは海上での安定性を狙って採用された構造であり、またひびき型ではクルー制を導入することで艦の稼働率を向上させ、常続的な音響情報の収集も行っています。
なお、艦名の「びんご」は、瀬戸内海中央部に広がる「備後灘」に由来します。ここは、東は備讃(びさん)瀬戸、南は燧(ひうち)灘、西は芸予諸島東部の弓削(ゆげ)島、因島(いんのしま)に囲まれた海域で、旧日本海軍では艦名に用いられたことがなく、海上自衛隊の艦艇でも初の名称です。
建造費は約196億円で、就役は2026年3月ごろの予定。配属先は広島県の呉基地に所在する第1音響測定隊となる模様です。
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