旧海軍艦艇「菊月」を故郷舞鶴に 一部引き揚げに向け資金調達を開始
ソロモン諸島の海上に姿を残す旧日本海軍艦艇「菊月」を引き揚げ、艦艇の故郷である京都府舞鶴市で修復保存しようと、有志らが資金を募る活動を始めています。
「Googleマップ」で確認できる旧海軍艦艇
旧日本海軍艦艇「菊月」を南太平洋のソロモン諸島から京都府の舞鶴に引き揚げ、修復保存しようと、有志らが「一般社団法人菊月保存会」をインターネット上で結成。2016年5月9日(月)から艦艇の一部を引き揚げるためのファンドレイジング(寄付型クラウドファンディング。主にインターネットを使う資金調達)を始めました。
「菊月」は1926(大正15)年、大正時代最後の駆逐艦として舞鶴で進水。その後、太平洋戦争では日本の最前線防衛に従事し、1942(昭和17)年、戦地で沈没しました。翌1943(昭和18)年には米軍によって浮揚作業が行われ、以来さまざまな人の手に渡っては放棄されることが繰り返されました。その過程で何度も剥ぎ取り被害に遭い、いかりやスクリューのほか、艦上構造物もそのほとんどが所在不明に。残されている部品はそのほとんどが最も重く、大きく、移動させにくく、また鉄屑になりにくいものだけといいます。
現在、この「菊月」はソロモン諸島の海上で座礁した状態で放置されており、その姿は「Googleマップ」でも確認することができます。
菊月保存会は2016年3月30日、ソロモン諸島政府から「菊月」の一部である第三砲台の引き揚げ許可書を受領。この実行に向けたファンドレイジングを開始しました。同会は「菊月」を舞鶴に引き揚げ、修復後に当時の資料と共に保存し、当時の資料とともに公開することによって、より多くの人に太平洋戦争のことについて知って、考えてもらい、後世に伝えていきたいとしています。
・菊月保存会の寄付ページ
https://kikuzuki.org/donate/
【了】
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