実在した「徹頭徹尾異形の航空機」、実は中身もヤバかった! なぜこんな形になったのか

「先尾翼」と呼ばれる機体の前後が逆になったような外見と、中身も斬新な双発プロペラ機が存在します。なぜこのような形状となり、実用化後はどうなったのでしょうか。

見た目だけじゃなく中身も“異端”

「先尾翼」と呼ばれる機体の前後が逆になったような外見を持ち、中身も斬新な双発プロペラ機が1980年代にアメリカで登場しました。アメリカの大手小型機メーカー、ビーチクラフト社の「スターシップ」です。なぜこのような形状となり、実用化後はどんな運命をたどったのでしょうか。

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ビーチクラフト「スターシップ」(画像:Ken Mist[CC BY〈https://x.gd/lx8cN〉])。

「スターシップ」は、主翼を前に配置したスタンダードな形をしたビーチクラフト「キングエア」シリーズの後継を狙った機体です。客席数は6~8席で、双発プロペラ・ビジネス機としては標準的なサイズでしたが、今見ても姿は斬新で“イケて”います。

 機首に「カナード」と呼ばれる小翼を、機体の最後尾に主翼をそれぞれ配置し、プロペラは左右の主翼にあるエンジンの後ろにありました。垂直尾翼も胴体中央後部でなく左右の主翼端にあったため、全体的に平たく、異形とはいえスマートでジェット機でも通用するスタイルをしていました。

 そのうえ思い切ったのはデザインだけではありませんでした。それまではアルミ合金など金属が主流だった機体構造に、複合材料を使ったのです。

 なぜ「スターシップ」はここまで型破りな設計の飛行機となったのでしょうか。それは設計者が、それまでにない姿をした航空機の設計を得意とする、バート・ルータン氏だったからです。

 1986年に無給油・無着陸で世界一周を達成した飛行機「ボイジャー」や、2004年に民間初の有人宇宙飛行を成し遂げた「スペースシップワン」に関しても、設計をルータン氏が手掛けています。この2機体に関しても、素材に複合材製が使用されていました。

 これらの航空機と同様に「スターシップ」も、特に上から見た姿がルータン氏作と分かる曲線を多用した未来的な姿をしています。その一方でこの機は、ただ「奇抜なデザインを狙った」というものではありません。

【写真】ナニコレ…これが「徹頭徹尾ブッ飛び設計機」全貌です

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