“阿蘇を貫き九州横断”の新ルート「中九州道」、一部有料で急速整備へ? 料金は「九州道と同水準」

国土交通省 熊本河川国道事務所は2025年2月26日、「中九州横断道路事業調整会議」を開催し、県・熊本市などと進捗を共有しました。

まさに「急ピッチ」 中九州道の整備

 国土交通省 熊本河川国道事務所は2025年2月26日、「中九州横断道路事業調整会議」を開催し、県・熊本市などと進捗を共有しました。

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中九州道の一部、国道57号北側復旧道路。JASM工場付近からここまでをつなぐ区間の事業も進んでいる(画像:写真AC)。

 中九州横断道路は熊本市から阿蘇を越えて大分市に至る地域高規格道路です。計画延長は約120km。現在は大分県内の区間(中九州道と呼称)や、熊本の大津IC-阿蘇西IC間(国道57号北側復旧道路)が開通しています(未開通のIC名は全て仮称)。

 また、阿蘇市街から大分方面へ向かう250mの高低差を行き来する難所「滝室坂」を貫く滝室坂トンネル(約4.8km)が2023年に貫通し、同トンネルを含む「滝室坂道路」6.3kmが2026年に開通予定です。

 中九州道の熊本県側では、台湾の半導体大手TSMC社の子会社「JASM」の工場(菊陽町)が進出するなど、企業の立地が加速しており、渋滞も深刻化していることが改めて共有されました。

 このため、大津IC以西の九州道につながる「大津道路」「大津熊本道路」の計3区間も、2020年、22年、24年に相次ぎ事業化されています。

 これら区間に加え、未だ事業化されていない「熊本環状連絡道路」の九州道までの延伸区間(下硯川IC-熊本北JCT、約4km)を含む「下硯川IC-大津IC」の約22.6kmについては、県・市が有料道路事業の導入を提案しています。一般的に有料道路事業を導入すれば財源のメドがつくため、事業期間は大幅な短縮が可能になります。

 その料金水準は、「九州道と同水準」とすることが提案されています。例えば下硯川IC-大津西IC間は普通車620円、植木IC(九州道)-大津西ICは850円、などとされています。熊本県と熊本市は有料道路制度の導入について、両者で「協力し、県民・市民の理解促進に向けた対応を実施する」としています。

 なお、中九州道全体では、阿蘇西ICから滝室坂道路までの阿蘇市街区間と、大分県の末端部(犬飼IC-東九州道)が未だ事業化されていません。

【けっこう料金高め…?】中九州道の整備状況&想定される“料金”(地図/画像)

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