100年前の橋に制震装置を初設置 「鋼板巻き」に代わる新工法 JR東海
JR東海が耐震補強の一環として、鉄道橋において一般的な補強工法とは異なる、制震装置「ブレーキダンパー」を用いた補強を初めて行いました。
今後は新幹線高架橋への活用も検討
JR東海は2016年6月8日(水)、耐震補強の一環として、鉄道橋において一般的な補強工法とは異なる、制震装置による補強を実施したと発表しました。
一般的に橋を補強する際は、「地震の揺れに耐えられるように強くする」ために、橋脚の周りに鋼板やコンクリートなどを巻く工法が採用されます。しかし名古屋市内の金山~尾頭橋間にある、1907(明治40)年に建設された「堀川橋りょう」は、周辺環境などから施工条件が厳しく、鋼板やコンクリートなどを巻く補強は困難でした。
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そこで、大林組が開発した制震装置「ブレーキダンパー」を用いる工法を採用。「地震による揺れを小さく抑える」ことを目的に、橋げたと橋脚などに「ブレーキダンパー」を複数設置し、地震エネルギーを吸収できるようにしました。なお、この工事は今年3月に完了しています。
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「ブレーキダンパー」は、接合部にステンレス板と摩擦板を一対にして挟み込んだ構造をしています。地震により橋げたが揺れ動くと、「ブレーキダンパー」の接合部分が滑り始め、摩擦力によって揺れの力を吸収。これにより橋脚の損傷を防ぐという仕組みです。
JR東海によると、この「ブレーキダンパー」を鉄道構造物に採用したケースは今回が初。この工法については今後、東海道新幹線の高架橋の揺れを抑える脱線防止対策のひとつとしても検討していくとしています。
【了】
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