船はなぜ「パナマ」ばかり? 日本の海運会社が使っていても「外国籍」な謎

船舶に関する報道でバラ積み船や自動車運搬船など、大型船では、結構な確率で「パナマ船籍」であるケースを見かけます。なぜパナマの船が多いのでしょうか。

パナマ船籍にしておく利点とは?

 船舶などに関する報道などでよく中米の「パナマ船籍」と聞くことが多い気がします。ただ、日本の海運会社が使っていたとしても、船籍はなぜか「パナマ」というケースもあります。なぜなのでしょうか。

Large 20250322 01

拡大画像

川崎重工業が建造し、2024年から日本郵船が運用している大型LPG運搬船「ガス ガーネット」はパナマ船籍で登録されている(画像:日本郵船)

 実は日本船主協会(JSA)が発行している「SHIPPING NOW 2024-2025」を確認すると、2025年現在、日本企業が運行する2000総トン以上の外航商船は2211隻ありますが、実に50.5%、1116隻がパナマ籍です。日本船籍は311隻で全体の14.1%でしかありません。

 海運会社の関係者に話を聞くと、こうしたある国の会社が船籍を他国に置くことを「便宜置籍船(べんぎちせきせん)」というそうです。なぜわざわざ他国に船籍を置くかというと、かつての某飲食店のキャッチコピーのような話ですが「速くて安い」が魅力だからです。

 特定の国では、日本よりもはるかに簡単に、船舶登録が行える国があります。そして、そうした国は船舶に関する税金の負担も軽く、維持費が安価で済むケースが多いのです。

 便宜置籍は、日本に関しては、ドルと円の変動相場制がスタートした1971年の「ニクソンショック」以降に一般化した方法で、当初は為替相場が円高に振れたことから、競争力確保のためコストの「ドル化」を進めたという経緯があります。

 また、世界の先進国でも日本と同様に便宜置籍を使っています。それは税金以外にも魅力があるからです。実は、便宜置籍国では、国籍要件等に関する規制が緩やかで、賃金の安い外国人船員を比較的簡単な手続きで乗せられるといったメリットもあります。日本も例外ではなく、2025年現在の日本の商船隊においては船員の68.9%がフィリピン人で、ほかもインド人、ミャンマー人などで構成されており、日本人船員はわずか1.5%しかいません。

 なお、世界の国別船舶登録数ですと、2025年現在ではリベリア船籍が16.1%で1位、パナマは2位で15.4%となっています。3位はマーシャル諸島の11.8%で、この3か国を合わせて「3大便宜置籍国」とすることもあります。

【で、どこなの?】これが、船の登録が多い3大国の位置です(画像)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス