“酷道”一気にぶち抜くトンネル「技術的に可能」 大幹線の“代替路”実現なるか 滋賀-福井県境
国土交通省が福井・滋賀県境の国道365号「栃ノ木峠道路」における直轄調査結果を公表。技術的課題が指摘されていたトンネル建設について、事業実施が可能と結論付けています。
キツイ峠の県境に「トンネル」可能! 国道365号
国土交通省 福井河川国道事務所と滋賀国道事務所は2025年3月14日、福井・滋賀県境の国道365号「栃ノ木峠道路」における直轄調査結果を両県に送付したと発表しました。このなかで技術的課題が指摘されていたトンネル建設について、事業実施が可能と結論付けています。

福井・滋賀県境は国道8号や北陸道が通っていますが、その東側で敦賀市街を経由せずに、南越前町(今庄)と長浜市(余呉町柳ケ瀬)を直接結んでいるのが国道365号です。ただし県境部の栃ノ木峠は幅員が狭く、線形が不良で冬季には通行止めとなる、いわゆる“酷道”区間となっています。
近接している国道8号と北陸道は近年、大雪などでたびたび「同時通行止め」となり、ネットワークが寸断されることから、代替路の一つとして国道365号ルートの機能強化が両県で検討されてきました。しかし、県境部は地質が脆弱で技術的な課題が多く、難工事が想定されていました。
そこで2024年度、国が直轄による権限代行の実施を行うための調査を実施。「断層密集地域をトンネルで通過することで、トンネル掘削時に、想定外の箇所から断層破砕帯が出現することが想定される」「断層破砕帯をトンネルで通過することで天端切羽崩壊・支保工脚部沈下・突発湧水などが想定される」といった課題が報告されました。
しかし、その対応策も示され、「地山状況に応じた迅速な技術的判断や高度な技術力を活用することにより事業実施が可能となる」と結論付けられています。
栃ノ木峠道路は県境部約2.9kmのうち約2.5kmがトンネルで計画されており、両県はこのトンネルについて直轄権限代行による早期事業化を要望していました。今回の結論が、事業化へ向けた強い後押しになりそうです。
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