なぜ「ジムニー5ドア」は55年も作られなかったのか? 「あえて流行に乗らない戦略」を動かした

実はジムニーが開発されて約55年、「ジムニーノマド」のような5ドアタイプが登場したのは今回が初めてになります。なぜ今だったのでしょうか。

5ドアの「ジムニーノマド」なぜ開発されたのか

 2025年1月30日に発表され、想定を大きく上回る5万台という予約が入り、わずか4日で受注が一時停止となったスズキ・ジムニーノマド。5ドアのジムニーが日本市場で待ち望まれていたことを象徴させる出来事となりましたが、実は5ドアのジムニーはグローバルで登場が期待されていた1台なのです。

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ジムニーノマド(画像:スズキ)

 デザインも性能や機能を徹底した現行ジムニーは、日本で大人気となっていますが、実は世界的にも好評です。海外市場も含めて、ジムニーに5ドアが設定されたのは55年に及ぶ同車種の歴史では初めてのこと。それだけ声が大きかったことが伺えます。

 2018年にフルモデルチェンジを行ったジムニー及びジムニーシエラは発売当初からそのデザイン性や機能美などの評価の高さに加え、手頃な価格であることやSUV人気の追い風を受け、ライトユーザーを爆発的に増やしました。

 しかし、3ドアハッチバックということで、実用性の面で乗りたくても諦める人も多かったとのこと。スズキのディーラーの担当者に話を聞くと「5ドアだったら購入したのに……」といった声も多くあったそうです。

 そして、このような意見は日本だけでなく、世界的なものでした。

 むしろ世界の方が要望も大きく、そうしたファンの声に応えるべく、スズキは2023年からインドのグルガオン工場で5ドアタイプの生産を開始しました。そのため、この5ドアのジムニーは日本で「ジムニーノマド」として輸出が決定する以前から約100の国と地域で販売されていました。市場からの声がジムニーの歴史を大きく動かしたのです。

【画像】急いで作ってます! これが、インドのジムニーノマド生産工場です

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