車内スゴッ!「天空に一番近い列車」に乗ってみた 青春18きっぷの“神列車”で盛り上げる高原ローカル線の“課題”とは?
JR線では最も標高が高い場所を走る小海線の観光列車「HIGH RAIL1375」に乗車。青春18きっぷでも乗れますが、人気度の高い列車です。この列車に沿線のスポットを組み合わせた旅行商品で、沿線自治体とJRが活性化を目指します。
「JR線で最も高い駅」では停車時間も確保
小海線で標高の高い区間は、山梨県と長野県の県境に位置する小淵沢方の区間となります。そのため、佐久平駅を出た列車はしばらく佐久市の近郊を走り、まだ「高原鉄道」といった感じはありません。
小海線の運行に携わる乗務員が所属する「小海線統括センター」がある中込駅では、ホームから駅員による出迎えを受けました。列車は千曲川に寄り添いながら田園地帯を進んでいき、「シングルシート」から冬化粧した山々を望むことができました。
徐々に標高が高くなり、JR線で最も高い駅となる野辺山駅(1345.67m)では、停車時間が確保されていたのが嬉しいポイント。この停車時間を利用して、駅構内にあるJR最高駅碑を撮影するのもおススメです。前出した夜間運行の「星空号」で星空観察会が行われるのも、野辺山駅の停車時間中です。
列車は野辺山~清里間に位置するJR最高地点碑の付近で徐行運転し、いよいよラストスパート。終点の小淵沢駅でも、駅係員のお出迎えがあり、地域を盛り上げようと奮闘している様子が伺えました。
小海線の車窓は季節によって違う顔を見せるので、異なる季節に訪れて違いを楽しむのが良いでしょう。
“高原鉄道”小海線が抱える課題
山梨県北杜市は、JR東日本グループと協力し、「HIGH RAIL 1375」を活用した大人向けの高付加価値ツアーを継続的に販売することで、小海線の活性化を目指しています。

小海線は、ハイシーズンとなる夏季に観光客の利用が集中し、オフシーズンの冬に乗車率が落ちるという課題があるといいます。山梨県北杜市は、「小海線観光誘客促進事業」の一環として、小海線を活用したプロモーション企画運営業務をJR東日本グループに委託しました。
今後は同社が2025年12月以降、「大切な人と訪れる高原リゾート『北杜市』で寛ぎのひととき」という名称で、「HIGH RAIL1375」と、市内の観光スポットを組み合わせたツアーを販売する予定です。
ツアーに組み込まれる市内の観光スポットは、2007年に設立された八ヶ岳山麓にある美術館「中村キース・へリング美術館」、ワイナリー「八ヶ岳グランヴェールヴィンヤード」、フレンチレストラン「コントラスト・カフェリス」などが選定されています。
「HIGH RAIL1375」は「快速」として運行されるため、指定券を購入すれば「青春18きっぷ」などでも乗車が可能です。ただ人気列車のため指定席券は取りにくく、必ず乗車したい場合は「大切な人と訪れる高原リゾート『北杜市』で寛ぎのひととき」のようなツアーに参加するというのも有力な選択肢となります。
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