「胴体形状が型破りすぎる旅客機」超大手航空が「最大200機」購入へ 革新設計の圧倒的メリットとは
ユナイテッド航空が、「革新的」な設計を持つという旅客機「Z4」の発注権を獲得し、製造メーカーに出資を行います。この機体は、どのようなものなのでしょうか。
最大200機の発注権も
アメリカの航空機メーカー、ユナイテッド航空が2025年4月、アメリカのスタートアップ企業「JetZero」に出資すると発表しました。JetZeroでは現在、翼と胴体が一体化し、まるでエイのような形状をもつユニークな「混合翼」の形態を採用した旅客機「Z4」の開発を進めています。同社が「革新的」と話す設計のメリットは、どのようなものなのでしょうか。

JetZeroによると、「Z4」では混合翼設計の採用で“胴体も翼の役割を担う”ことができるために空気抵抗を大幅に削減。これにより小さいエンジンでも飛行が可能になり、その結果、燃料消費量と排出量を現行の一般的な旅客機と比較して、半分に削減することができるとしています。
胴体も現代の旅客機のような筒型ではないことから、客室の面積を広げることができ、客席の大型化をはじめ、乗員・乗客の居住性もアップするほか、手荷物の収納スペースも大型化するとのこと。また、客室内の通路を増やせることなどから、ターンアラウンドタイム(到着から折り返し便出発までの時間)も削減できるとしています。なお、Z4では、250人の客席数が予定されているとのことです。
また、この機はエンジンの設置場所もユニークで、胴体最後部の上にエンジンを載せるような形状となっています。先述のとおりエンジンそのものも小型化できることに加え、この設計の採用で騒音がかなり低減できるとしています。
ユナイテッド航空は今回の出資にともない、最大200機のZ4を発注する権利を有したとのことです。この購入契約は条件付きで、JetZeroが2027年にフルスケールのデモ機を飛ばすこと、機体がユナイテッド航空の安全、事業、運航要件を満たすことなどが条件に挙げられています。
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