突風探知レーダー2代目新設へ 反射波で雨粒の動きを観測 JR東日本
JR東日本が現行のものより高性能な突風探知のドップラーレーダーを、山形県酒田市内に新設します。完成は2016年度内の予定です。
余目駅のドップラーレーダーは撤去へ
JR東日本は2016年7月12日(火)、突風を探知する「ドップラーレーダー」を山形県酒田市内に設置すると発表しました。
2005(平成17)年12月25日、秋田から新潟に向かっていた特急「いなほ14号」が、羽越本線の砂越~北余目間で突風によって脱線、転覆し、乗客5人が死亡する事故が発生しました。これを受けJR東日本は2007(平成19)年、羽越本線の余目駅(山形県庄内町)にドップラーレーダーを設置し、気象庁気象研究所と共同で突風を探知する研究開発に着手。今回は、これまでの研究成果を踏まえ、より高性能なドップラーレーダーを海岸からおよそ2kmの場所に設置するというものです。
着工は2016年7月下旬、完成は2016年度内の予定。引き続き、突風を探知するシステムを用いた列車運転規制の実用化に向けて検討が進められます。なお、これに伴い現行の余目駅にあるドップラーレーダーは撤去されます。
ドップラーレーダーとは上空の、雨などの降水粒子からの反射波を用いて、その粒子の速度と方向をドップラー効果により計測する装置です。突風探知システムは、降水粒子の動きから渦(突風)を探知し、その渦が線路に近付く場合に警報を発します。
新たに設置されるこのドップラーレーダーは、アンテナ径が2.0m、観測範囲は半径60kmです。観測精度と範囲の向上や、現行レーダーより海岸に近い場所に設置されることから突風の早期捕捉といった効果が期待されています。
JR東日本は、事故の再発防止に向け全力を注ぐとともに、鉄道輸送のさらなる安全性向上に努力を続けていくとしています。
【了】
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