砲は遠隔操作で動く!! 少人数で操作可能な新型自走りゅう弾砲システム「ネメシス」公開される

履帯を装備した自走りゅう弾砲。

遠隔操作で装てんから照準・発射まで行う

 ジェネラル・ダイナミクス・ヨーロピアン・ランド・システムズ(GDELS)は2025年5月12日、新型装軌式自走砲「NEMESIS(ネメシス)」を公開しました。

Large 20250516 01

拡大画像

ネメシス自走りゅう弾砲のフロント部分(画像:GDELS)

 同自走砲は、ドイツのKMWとフランスのネクスター・ディフェンス・システムズの合弁会社であるKNDS製の155mm /L52砲塔を搭載した履帯(キャタピラ)で移動するタイプの自走りゅう弾砲になります。

 同自走砲は、スペイン・マドリードで開催された国際防衛・安全保障展示会(FEINDEF)で初公開されました。なお、同社は2024年にもFEINDEFで、10輪式装甲装輪車に同じ砲を搭載したPIRANHA AACを公開しており、今回のネメシスはその自走砲の履帯装備タイプともいえます。

 高い機動性と乗員の防護能力を備え、困難な地形でも運用することを想定しているそうで、場所を選ばず前線の部隊を火力援護します。

 自走りゅう弾砲に搭載された155mm /L52砲塔は無人でも発射可能で、自走砲を移動し、遠隔操作で砲弾装てん、照準、発射までの一連の操作を行えます。この自動化により、これまで自走りゅう弾砲には4~6名の人員が必要なところを、最小2名という少人数での運用が可能です。

 なお射程は弾薬の種類にもよりますが最大70kmになるそうです。また任意で直接照準による攻撃能力も装備可能です。

 射撃後は即離脱する戦法「シュート ・アンド・ スクート」にも対応可能で、全方向への移動発射が可能です。また、射角を変えて同じ標的に複数の砲弾を発射し、同時に着弾させるMRSI(同時弾着射撃)にも対応しています。

 ネメシスは今後、旧式のM109「パラディン」155mm自走りゅう弾砲を装備するスペイン陸軍など、今後、自走りゅう弾砲の更新を検討している国へ売り込みをかけていくようです。

【画像】2人で動くの!? これが、ネメシス自走りゅう弾砲です

最新記事

コメント