姉妹艦にはありません! 護衛艦「によど」が初めて搭載した最新装備とは?「ミサイル撃つことはできないけど」
「によど」のVLSで対空ミサイルの運用は想定されていません。
配備先は広島県の呉
防衛省は2025年5月21日(水)、三菱重工長崎造船所(長崎県長崎市)において、護衛艦「によど」の引渡式および自衛艦旗授与式を実施しました。

「によど」は、もがみ型護衛艦の7番艦で、2022年6月30日に起工し、2023年9月26日に進水しています。船体サイズは全長133.0m、幅16.3m、深さ9.0m、喫水4.7m、基準排水量は3900トンで、乗員数は約90名。主機関はガスタービンエンジンとディーゼルエンジンの組み合わせで、軸出力は7万馬力、速力は約30ノット(約55.6km/h)です。
もがみ型護衛艦は12隻の建造が計画されており、2022年3月以降、年2隻のペースでもがみ型は防衛省/海上自衛隊に引き渡されていますが、VLS(垂直発射装置)を就役時から搭載するのは、「によど」が初となります
搭載するのは、アメリカのロッキード・マーチン社が開発し、日本では三菱重工がライセンス生産しているMK41 VLSで、同艦には合計16セルが搭載されています。
今後、もがみ型は12隻すべてにVLSが搭載される計画で、ここに07式垂直発射魚雷投射ロケットを装備することにより、現状と比べて対潜戦能力の大幅な向上が期待されます。
海上自衛隊には、ほかにVLSを搭載する護衛艦として、こんごう型、あたご型、まや型、むらさめ型、たかなみ型、あきづき型、あさひ型、ひゅうが型がありますが、これらでは対空ミサイルの装填・発射が想定されているのに対して、もがみ型のVLSは2025年5月時点では対空ミサイルの運用は考慮されておらず、あくまでも魚雷投射ロケットの装填・発射のみとなっています。
なお、「によど」の艦名は愛媛県から高知県へ向けて流れる「仁淀川」に由来し、海上自衛隊で用いるのは、ちくご型護衛艦の7番艦「によど」に次いで2回目。ちなみに、旧日本海軍では大淀型軽巡洋艦の2番艦に命名される予定でしたが、太平洋戦争の激化に伴い建造中止となったため、使われずに終わっています。
「によど」の配備先は、広島県の呉基地です。
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