地下鉄東西線「混雑と遅延解消の切り札」いつ完成? 将来は“すし詰め状態”劇的に改善か
輸送力増強メニューの柱です。
大規模改良工事が進む南砂町駅
東京メトロは今年度から2027年度までの中期経営計画に、鉄道事業の輸送改善として、東西線・南砂町駅の改良工事を盛り込みました。

東西線は、コロナ禍前の2017年には全国最悪の混雑率199%(朝ラッシュ時の木場→門前仲町)を記録する「超過密路線」として知られ、2000(平成12)年の西葛西駅ホーム拡幅を皮切りに、遅延や混雑への対策が進められてきました。
主に各駅での改良工事や、全ドアをワイド化して乗り降りをしやすくした車両の導入などが実施されてきたほか、メトロポイントクラブを活用したオフピーク通勤の推奨など、対策はソフト面にもおよんできました。
南砂町駅は1969年に開業。東西線の快速通過駅では、唯一の地下駅です。同駅は元々、ホームが一つだけの「1面2線」でしたが、大規模改良工事によってホーム1面と線路1線が増設され、最終的に「2面3線」となります。なお、2024年5月に実施された1回目の線路切り替えで新ホームの供用が開始されています。
東京メトロは、南砂町駅の大規模改良工事の完了時期について、「2031年度を予定している」(広報部)と話します。これにより、前の電車の乗降が長引いても、空いている線路に後続の列車を入れる「交互発着」ができるようになり、遅れの波及を最小限に抑えることが可能になります。
東西線では南砂町駅以外でも、飯田橋~九段下間の折り返し設備整備が進められています。さらに、2030年代半ばに予定されている有楽町線の延伸(豊洲~住吉)により、東西線の最混雑区間である木場~門前仲町間の混雑率が、国の目標値である180%以下となることが想定されています。
コメント