フットブレーキだけでは止まれない! 知られざる「大型バスのブレーキ事情」 ハンドル脇の“謎レバー”とは?

バスの一番前の席に座ると、運転士がハンドル脇のレバーをカチカチと操作しているのを見たことはないでしょうか。実はあれ、20トン近い車体を安全に止めるための「補助ブレーキ」なのです。

足踏みだけでは制動力が低下? 巨大な車体を支える補助ブレーキ

 乗客と荷物を満載した大型観光バスの重量は、時に20トン近くに達します。これほどの巨体を、タイヤ部分の摩擦(フットブレーキ)だけで止めようとすると、ブレーキシステムには大きな負荷がかかります。

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最新の大型観光バスである日野「セレガ」。ボディデザインの刷新を含む改良型が2026年5月20日に発売された(乗りものニュース編集部撮影)

 特に長い下り坂でフットブレーキを使い続けると、摩擦熱によってブレーキパッドが過熱し、制動力が低下する「フェード現象」や、ブレーキフルード(液)が沸騰して制動不能に陥る「ベーパーロック現象」が生じるおそれもあります。

 こうした熱によるトラブルを回避し、減速性能の低下を防ぐため、バスにはエンジンや駆動系に直接制動力をかける装置が備わっています。運転士がハンドル脇のレバーでカチカチと操作しているのは、主に「排気ブレーキ」や「リターダー」と呼ばれる補助ブレーキです。

 これらはフットブレーキの負担を大きく減らせる頼もしい装置ですが、それぞれに特性や限界があるため、長い下り坂などでは適切なギヤ選択(エンジンブレーキ)とあわせて使うことが重要になってきます。エンジンの排気を利用するものから、電磁誘導の力を利用するものまで、その仕組みは多岐にわたります。

【最新バスの運転席まで】これが「新型セレガ」の車内です(写真でイッキ見!)

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