維持困難な線区、今年秋口までに発表 値上げ、バス転換など沿線と協議へ JR北海道

燃料費や人件費などの経費を賄えない線区も

 JR北海道は、輸送密度が500人級(収入3億円規模)の線区では、燃料費や乗務員経費など輸送に直接必要な経費も賄えず、2000人級(収入20億円規模)の線区でも車両の維持や修繕に関する費用の一部までしか賄えないとしています。同社が発表した2015年度のデータによると、次の線区が輸送密度500人未満とされています。

・宗谷本線・名寄~稚内
・根室本線・滝川~新得、釧路~根室
・留萌本線・深川~留萌~増毛(留萌~増毛間は2016年12月5日廃止)
・石勝線・新夕張~夕張
・札沼線・北海道医療大学~新十津川
・日高本線・苫小牧~様似

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2015年度の、JR北海道における線区ごとの輸送密度。点線は500人未満、赤線は500人~2000人未満(画像出典:JR北海道)。

 また、輸送密度2000人未満は、石北本線、釧網本線の全線や、函館本線の長万部~小樽間など8線区です。

 会社が発足しておよそ30年。そのあいだに高規格道路網が整備され、札幌圏を除く地域の人口は減少するなどして、1996(平成8)年度をピークに鉄道運輸収入も減少傾向が続いているといいます。

 JR北海道によると、今後、安全に関する費用を確実に確保した場合、さまざまな自助努力を行ったとしても、毎年400億円を超える営業損失を計上することになるとのこと。さらに経営安定基金や特別債権の受取利息では補いきれず、経常損失は180億円を上回る収支構造になるとしています。

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1975(昭和50)年を100としたときの、ローカル線における鉄道輸送密度の推移。10分の1以下になっている線区もある(画像出典:JR北海道)。

 JR北海道は「将来にわたり持続可能な形で安全最優先の鉄道事業を運営する社会的な使命を果たすために、地域における交通手段の確保を前提に」、それぞれの地域に適した「持続可能な交通体系のあり方」について、地元と協議をしたいとしています。

【了】

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コメント

3件のコメント

  1. 3月始めに宗谷本線回った時、名寄~稚内までローカル列車に乗った。名寄~音威子府まで乗降ゼロ。以降稚内まで最高で3,4人しか居なかった。
    地元民には特急券100円対応等有るのも見聞きしたがここまで来ると悲壮感強かった。
    何とか残して欲しいが…。

  2. これだけ輸送量の少ない地域に新幹線を走らせようという暴挙、いや愚挙!
    まずここから抜本的是正をすべき。膨大な赤字をたれ流す新幹線になるのは目に見えている。

  3. 鉄道の得意分野は、大都市圏輸送と都市間輸送。広域で見た場合に大赤字の路線があるからといって、新幹線が不用などというのは、あまりにも的外れ。北海道新幹線は、人口希薄地帯のローカル輸送をになうものではなく、札幌と東北各都市、札幌と首都圏を結ぶもの。加えて、在来線とはまったく異なり速度で運転され、新たな需要を生み出すもの。事実、青函区間の実績は、開業後半年の1.8倍に増えている。盛岡以北も最高速度320km/h以上で運行すれば、札幌-首都圏もそれなりのシェアがとれる。さらにいえば、冬季や台風などの荒天時にも、安定して運行できるもの。飛行機が欠航しても、新千歳に人が溢れることなどなくなるのだ。これだけの理由からすれば、札幌までの延伸が15年も先などというのは、あまりにも遅すぎる。日本人、特に北海道の人が、新幹線の実力を理解しておらず、予算が不足しているためだ。北海道新幹線の札幌延伸は、選択と集中で、一日も早く実現しなければならない。