夜行フェリーなのにほぼホテル!? ゴロ寝の大部屋から“ヒミツの個室”まで 本州―北海道の人気航路で“異彩を放つ1隻”に乗った

北海道の苫小牧と青森県の八戸を結ぶシルバーフェリーは、特色ある船舶を運航しています。今回はその中でも、「ビューシート」を持つ「シルバーティアラ」に乗船しました。

ウェブサイト未掲載の部屋を見学!?

 テレビをつけると、船内紹介のビデオが流れ、「特等室(ツインベッド)」という案内が表示されました。ウェブサイトには掲載されていないため、クルーに確認してみると「1室だけその仕様の部屋があり、満室だと販売します」とのことでした。

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紫を基調としたツインルームの「特等室」(安藤昌季撮影)

 今回、その部屋が空室だったので見学させてもらうことに。幅広のベッドがあり、快適そうな室内です。特に1人利用であれば、価値の高い個室だと感じました。

 船内を回っているうちに出航。すでに0時を回っていましたが、船内にはまだ多くの乗客の往来があり、展望浴室も満室でした。クルーに人気の設備を尋ねると「ペットルームはすぐに満席になります。あとは、家族連れには1等和室が人気です」と教えてくれました。

 そして、ベッドの寝心地は良好。エンジン音も静かで、ぐっすり眠ることができました。

 翌朝は6時50分に起床しました。7時ちょうどに「シルバーフェリーのテーマソング」が船内に流れます。和風の曲調で、ティアラやプリンセスの船名とはイメージが異なりますが、にぎやかで目覚ましにはちょうどよい音楽でした。

 朝食は、船内の売店で冷凍食品の「かにめし」を購入し、解凍して食べました。ほんのりとした甘さが特徴でした。

 7時25分、定刻より5分早く八戸港に到着。100名以上の乗客が下船していきました。徒歩乗船の客も多く、接続バスは、盛岡駅行きに5人、本八戸駅行きに21人が乗車していました。

 総じて、「シルバーティアラ」はオシャレで、騒音や振動も少なく、快適なフェリーでした。次回は昼間便で「ビューシート」に乗船し、この船の魅力をさらに堪能してみたいと思える船旅でした。

【写真】「シルバーティアラ」の船内に飾られたティアラ

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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