ルパン三世「永遠のライバル」愛用のパトカーだけ日本車なぜ?「銭形突撃隊」のトラックにも隠された逸話あり
『ルパン三世 カリオストロの城』のエンディングで、銭形警部の愛車として登場する「ブルーバード」パトカーと、部下である「銭形突撃隊」が乗るトラック。これらも、じつは知られざるエピソードがありました。
「銭ブル」と呼ばれたパトカー
銭形警部が使用した410型「ブルーバード」は、1963~1967年にかけて生産されたシリーズの2代目となるモデルで、日産初のモノコックボディを採用した乗用車になります。ラインナップには、4ドアセダンのほか、エステートワゴンとライトバン、モデル途中で追加された2ドアセダンがありました。

一番の特徴は、ピニンファリーナによる流麗なスタイリングですが、海外市場では好評を博した一方、日本のユーザーからは「尻下がり」のデザインが不評で、それまで小型車市場で販売をリードしていたトヨタ(トヨペット)「コロナ」に初めて販売面で敗れることになりました。そのため、中期型以降は「尻下がり」のデザインをわずかに修正しています。
『ルパン三世』(1971年)のオンエア時には、すでに型落ちとなっていましたが、当時はまだまだポピュラーなクルマでした。宮崎さんや大塚さんが東映動画(現・東映アニメーション)に所属していたときに、同僚のアニメーターが所有していたこともあり、見知った車種ということで作画資料に事欠かないことから、銭形のパトカーに410型「ブルーバード」が選ばれたものと思われます。
なお、銭形自身は警視庁からICPOに出向している設定ですが、パトカーは埼玉県警から提供を受けているようで、右ドアには漢字で「埼玉県警」、左ドアには出向先の「ICPO」の文字が書かれています。
『カリ城』には銭形の部下として「ルパン三世捜査専従班」、通称「銭形突撃隊」が登場します。彼らはカリオストロ公国衛士にも負けない体格の良い猛者揃いで、手元の資料によると埼玉県警機動隊から出向した警察官とのこと。人数は1個小隊22~24名で、それに指揮官と伝令・通信手やレーダー操作員が加わっているようです。
そのような彼らが乗車するのが、カナディアンGMが製造した軍用トラックのCMP(カナディアン・ミリタリー・パターン)「C60L」です。
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