護衛艦でたま~に聞こえる「ピー」音のナゾ 実は何種類も音色がある!? どう鳴らしているのか
海上自衛隊では実は笛で合図を送るときがあります。「サイドパイプ」と呼ばれるもので、伝統のある道具でもあります。
実は笛で合図をすることがある
自衛隊の艦艇を見学に行った際などに、艦艇から甲高い笛のような音が聞こえてくることがあります。この良く通る高い音は、「サイドパイプ」と呼ばれる小さな笛の音で、多くの海軍などで、決められた合図として使用されているものです。

サイドパイプは、10cm程度の小さな筒状の笛になります。特徴的な点がホイッスルのように中に鈴やコルク玉が入ってないことです。口の端にくわえ、指の開き具合と息の吹込みによって、いくつかの音を出すことができますので、その音の変化によってさまざまな合図を乗員に伝えることができます。特徴的で甲高い音を出し、波の音にもかき消されにくく、遠くまで届くといわれています。
サイドパイプは「ボースンコール」とも呼ばれており、甲板長や掌帆長(海上自衛隊では運用員長)を意味する「ボースン」が乗組員に合図や命令を伝えるために使用したのが、その始まりだといわれています。
音と操船は昔から深い関係があり、紀元前の古代ギリシャでは既に楽器でガレー船の漕ぎ手のタイミングを合わせていたと言われていますが、現在のサイドパイプの原型の登場はずっと後で、13世紀のイギリス海軍だといわれています。昔は一般の商船などでも使用されていたようですが、現在では一部の海軍や、日本海軍時代の伝統を受け継ぐ海上自衛隊に残るのみとなっています。
海上自衛隊で使用されているサイドパイプは主に「雑令」「短符(たんぷ)」「総員」「別れ」「舷門送迎」など、複数の種類があります。これらの合図を開音と呼ばれる「ホー」という少し低い音と、閉音と呼ばれる「ピー」という高めの音の二種類の音と長さを組み合わせて表現しています。
ちなみに、あまり聞き馴染みのない「短符」ですが、元海上自衛官でお笑いタレントである雷ジャクソン高本さんの公式YouTubeチャンネルによると、「ヒー」の短音で、起床5分前や、隊員来客があった際に合図に鳴らされるそうです。そして、この短符の後に名前を呼ばれ、来客だと喜び勇んで行くと保険のおばちゃんで「一口いかが?」と勧誘されるまでが自衛隊あるあるだそうです。
一般の人が一番聞く機会が多いのが「雑令」で、この合図は作業開始や訓練開始・終了の際、また「舷門送迎(艦長や司令官が艦を乗降する際の音)」などで様々な号令の際に吹かれます。高本さんは「ホヒーホー」という音がすると、実演込みで説明していました。
全員は練習しないよ
艦艇の砲雷、船務、航海関係の職種のみ
某ガンダムでも偉い人が乗艦するシーンで鳴ってる。
なお、英海軍ではデヴだった偉い人をクレーンで吊り上げる合図として鳴らしていたという説もw