ユニーク形状極めし「無人早期警戒機」なぜ? 摩訶不思議な位置にアンテナ…考えられる背景とは
早期警戒機といえば、レーダーアンテナを胴体上に円盤で載せたスタイルなどが昔は一般的でした。ところが現在は、ユニークな位置にアンテナをつけた無人機が出現。どんな背景があるのでしょうか。
ベース機は海自にも導入
AEW(早期警戒機)といえば、レーダーアンテナを胴体上に円盤で載せたり胴体横の張り出しに入れたりするスタイルが一般的に想起されます。そのようななか、アメリカの軍用無人機の大手「GA-ASI(ゼネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ)」が打ち出した無人機MQ-9B早期警戒機は、主翼下のポッドに収める、有人の早期警戒管制機にない独自のスタイルを採用したようです。どういった背景が考えられるのでしょうか。

MQ-9Bは日本でも「シーガーディアン」の名称で、海上保安庁が海上監視や捜索救難用に導入し、海上自衛隊も採用を決めています。同機は胴体後部に大きなアンテナポッドを付け、艦船などの動きを監視します。しかし、早期警戒機タイプは同機とは見た目も役割も違い、左右の主翼下にレーダーを収めたポッドを下げており、航空機などの来襲を監視するのを主な目的として運用されます。
そうしたなか、2025年6月のパリ航空ショーにおいてGA-ASIは、MQ-9Bの早期警戒機型にスウェーデンのサーブが持つセンサーを統合して開発すると発表しました。確かに、サーブは既に有人機の「グローバルアイ」で早期警戒機に必要なシステムを開発し、ビジネスジェット機に搭載しています。
これについては、公表されているMQ-9Bの外部搭載量は約2.1tのため搭載レーダーシステムの機能を絞ったことが考えられるほか、GA-ASIは「広大で厳しい(vast and harsh)」環境とする地域や海域の上空で、無人機が持つ長時間の滞空能力を活用し、管制員が必要な有人タイプ早期警戒“管制”機の機体は脅威の低いエリアで任務をこなす “役割分担”を目指しているためと考えることができます。
『【写真】えっ…これが「ユニーク形状すぎる無人早期警戒機」全貌です』の4枚目の写真のキャプションが『パリ航空ショーのGA-ASI ブースに展示された「MQ-9B AEW」』となっているが、写っているのは「C919」などの旅客機のみと思われMQ-9BAEWは見当たらないが、掲載する写真を間違えたのでは???