台湾を60年守った名物戦闘機ついに退役! じつは世界最大のユーザー 最後まで飛んでいたのは希少な独自仕様
国内でライセンス生産までしていたなんて。
60年使い続けたけれど遂にピリオド
台湾(中華民国)国防部は2025年7月4日、RF-5E偵察機の退役式典を開催し、運用を終えたと発表しました。

式典は台湾東部の花蓮基地で執り行われ、最後のミッションとして編隊飛行を基地上空で行ったとのこと。このフライトを実施したのはRF-5E偵察機3機と、訓練用として運用していたF-5F戦闘機2機の計5機で、基地を離陸したのち東の海域(東シナ海)上空を編隊を組んで飛行、着陸後は消防車の放水アーチをくぐって全ミッションを終えています。
台湾は、1965年11月に最初のF-5A戦闘機をアメリカから受領、運用を開始すると、複座型のB型と合わせて115機のF-5戦闘機を導入します。その後、発展型のF-5E「タイガーII」の導入をアメリカ政府と交渉し、1973年にはライセンス生産契約の締結にも成功したことで、その複座型であるF型と合わせ、F-5「タイガーII」を308機調達しました。
結果、台湾はF-5A/B/E/Fの各型合わせて423機を運用したことになり、世界最大のF-5ユーザーとなりました。
1990年代に入ると、台湾空軍は新たな偵察機の導入を模索するなかで、比較的飛行時間の少ないF-5Eを偵察機に改造することを決定。結果、7機がRF-5Eに姿を変えることが決まります。
改装はシンガポールで行われ、7機は1997年8月に帰還すると、偵察機として再就役しました。
しかし、それでも老朽化には勝てず、このたび残る全機が揃って退役することになりました。
F-5A時代から数えて60年におよんだ台湾ですが、世界を見渡すとブラジルやチリ、メキシコ、スペイン、韓国、タイなどでいまだ現役なので、世界の空から姿を消すのは、まだ先のようです
なお、これで台湾から察機は姿を消しますが、台湾空軍では将来的にF-16戦闘機を改造し、RF-16を作って戦術偵察任務を引き継がせる構想を立てています。
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