日産の「ザ・営業車」10月で生産終了へ でも「新型商用車だします」宣言! 暗い話ばかりじゃない!?
日産自動車は追浜工場での車両生産の終了を公表するとともに、子会社である日産車体の湘南工場でも車両生産を終えると発表しました。社会に馴染んだ「ザ・商用車」たちが失われてしまうのでしょうか。
生産拠点再編でいち早く「販売終了」となる車種も明らかに
日産自動車は2025年7月15日に会見し、神奈川県横須賀市にある追浜工場での車両生産を、2027年度末で終了すると説明しました。この場において、子会社である日産車体「湘南工場」に委託している市販車の生産についても、2026年度末で終了することを明らかにしました。

追浜工場の閉鎖は経営再建計画「Re:Nissan」におけるグローバルでの生産拠点見直しの一環です。中国を除くグローバルでの生産能力を350万台から250万台規模へと削減し、工場稼働率を100%レベルで維持していくことを目指します。
というのも、日産の車両工場の稼働率は、現在のところ世界で70%程度、日本国内に限ってはトータルで60%程度にとどまっています。この余剰能力を整理するため、生産拠点は現在の全世界17拠点から、最終的に10拠点へと絞られる見通し。日本国内の拠点からは2工場が整理されることになりました。
イヴァン・エスピノーサ社長は会見の中で「追浜工場からの生産移管に関しては15%程度のコスト削減効果を試算している」と明かしました。
追浜工場は1961年に操業を開始。昭和から平成にかけては「ブルーバード」や「マーチ」「キューブ」「ティーダ」などの生産を担当し、これまでの累計生産台数は1780万台以上にのぼっています。現在は「ノート」「ノートオーラ」の生産を担当していますが、今後は生産機能を日産自動車九州(福岡県苅田町)へと引き継ぎます。
車両生産の廃止が決まった一方で、日産は今後、追浜工場で新型「キックス」の生産立ち上げも予定通り実施する考えであると会見で表明しました。ただし追浜では生産の立ち上げの際のみ担当し、その後は徐々に日産自動車九州へと移管していく計画です。
さらに会見で、小型商用車の「ADバン」や「NV200バネット」の生産を委託している、日産車体 湘南工場(神奈川県平塚市)での車両生産も、2026年度末をもって打ち切ると発表しました。
湘南工場の年間生産能力は約15万台規模。生産を委託しているモデルのうち、ADバンは2025年10月に生産を終了し、販売も打ち切る予定です。また、NV200バネットの現行型についても、湘南工場での生産を2026年度末で終えると発表しました。
しかし、暗いニュースばかりではありません。モデル廃止も噂されていたNV200バネットですが、今回の会見で「2027年度内に『新型NV200』を発表する予定」であることが公表されました。新型NV200は、湘南工場以外の拠点で生産される見通しです。
また、2工場以外の国内の生産拠点に関して、今後はこれ以上の廃止や再編は行わない方針であると表明。追浜地区に構える工場以外の施設についても、テストコースである「GRANDRIVE」をはじめ、総合研究所や衝突試験場、追浜専用ふ頭など、全てで事業を継続していくと明らかにしました。
追浜工場の施設や敷地の将来的な利活用について、日産は現在いくつかのパートナーと協議していると会見で説明しました。その一方、委託生産や合弁会社の設立などは「現在のところ検討していない」とも強調しました。
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